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ソフトバンク武田翔太が今度は「155キロ」! 半年ぶりの実戦マウンドで快速球

田尻耕太郎スポーツライター

「何の違和感もなかった」

5月25日(日)、ソフトバンク3軍が四国ILとの定期戦で愛媛マンダリンパイレーツと対戦した。

愛媛MP    001000200  3

ソフトバンク 010001101×  4

【戦評】

ソフトバンクがサヨナラ勝ちした。2回、白根の左越えソロで先制。その後1点リードを許したが、7回に宮崎のタイムリーで追いついた。同点の9回、1死一、三塁から打席はまたも宮崎。右中間を破る殊勲打を放った。投げては復帰2戦目の先発バリオスが4回1失点をまずまずの投球を見せた。この日が復帰戦の武田は2回2失点だった。

【雑感】

武田翔太が昨年10月のフェニックスリーグ以来、およそ半年ぶりにマウンドに立った。先日の記事(5月21日: http://bylines.news.yahoo.co.jp/tajirikotaro/20140521-00035545/ )で、復帰前のシート打撃で151キロを投げたことをお伝えしたが、この日の登板では最速153キロをマーク。四国IL愛媛が用意したスピードガンでは「155」キロが表示されたという。

「何の違和感もなくしっかり腕を振ることが出来ました」

結果は2回2失点。1イニング目は三者凡退に抑えたが、続く回は先頭打者に四球を与え、その後3安打を浴びて2点を失った。それでも思いきって、不安なく投げることが出来たのが大きな収穫だ。

一方で課題はコントロールだ。昨季68与四球でリーグワーストを記録。この日の登板も、それまでのブルペンでも、見る限りは改善されているとは言い難い。どれだけ強い球を投げても、課題をクリアできなければ1軍昇格は難しいだろう。

原因として考えられるのは左腰。開きが早く、それに伴って上半身も開いてしまうために時折ボールが抜けてしまう。また、右腕が遠回りすることで肩や肘への負担が増す。自身の身体とじっくり向き合う時間がもう少し必要かもしれない。

甲子園を沸かせた「ジャイアン」が9本目のアーチ

また、打者では白根が3軍戦で今季9本目のホームランを放った。「ソフトバンクの白根」より、「島根・開星高校の白根」の方がピンとくる野球ファンは多いだろう。「島根ジャイアン」と呼ばれて甲子園を沸かせた巨漢選手も、今は見違えるような体型になった。昨季までは体重とともにパワーもなくしていたが、持ち味をようやく発揮し始めた。週明けからは2軍戦に出場する予定。楽しみなパワーヒッターが成長を見せている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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