ボートレーサーの不正受給の疑い、211人の衝撃

(写真:アフロ)

30日に、一般財団法人日本モーターボート競走会が記者会見を行い、本来、新型コロナの影響で売り上げが減った個人事業主が受け取るべき、持続化給付金を不正受給していた疑いのある選手が211人と発表しました。

競艇選手211人が不正受給、新型コロナ持続化給付金 会長陳謝 (東京新聞)

ボートレース選手211人がコロナ給付金受給 全員に返還求める (時事通信社)

ボートレースの選手、A1級からB2級まで合わせて1574人が調査対象とのことですから、約7.5人に1人が疑惑を持たれた形になります。

総額は調査中のようですが、もし全員が満額の100万円を不正受給していたとなると、競馬界の不正受給問題を超えて、2億円は超えることになります。

これまで、競馬界を端に発した不正受給の問題を強く指摘してきた理由のひとつに、同様なことが、他の業界にも起こっているのではないかという疑念がありましたが、今回の発表は私の想定を上回る、衝撃的な数字です。

すでに、フライングなどをするとペナルティとして出場停止となりますが、その期間を新型コロナの影響として偽っていた可能性があるということは報道されており、公営競技自体の売り上げは軒並み、前年度を上回っていて、コロナの影響はほとんどないと言われています。

ボートレースもしかりで、コロナ前の年の売り上げよりも、前年度(2020年)の数字は増加しており、現状、選手らが「新型コロナの影響を受けて、売り上げが減った」と申請して、持続化給付金を受け取る理由はどこにも見当たりません。

それにもかかわらず、これだけの数となると、ある疑いが浮上してきます。

それは、新型コロナの影響がないのに、それがあったと嘘をついて不正受給する方法がマニュアル化、パターン化されて広がっていなかったかということです。

それが口コミで広がり、安易に多くの人が給付金の申請をして受け取ってしまうことになった。もしそうであれば、積極的に不正な受給の勧誘に関与した人物に対しては、悪質性があると判断されて、警察が動く可能性がないとはいえません。

持続化給付金の不正受給のポイントは、変わりつつある

これまでは、個人事業主でもない者が、嘘の確定申告書を税務署に提出して、名義を貸して不正受給する問題が取りざたされてきました。

しかし今後は「売上減少の理由が新型コロナウイルスの影響でないのに申請する」という形の不正受給の問題がクローズアップされる状況に入ってきたといえます。

同選手会は、この給付には該当しない旨を昨年の夏には、注意喚起していたとのことですが、そもそも、この不正受給の問題自体も、8月に経済産業省から「不正受給は犯罪」との強い注意がなされており、かれこれ8か月目に入っています。それにもかかわらず、お金を返還した選手の数がいまだ39人と、あまりにも少ない数になっています。

本来、公営競技に携わる者ほど、法を守り、多くのファンを裏切らない、公正さが求められるはずです。もし不正な受給を行った自覚があれば、即座に自主返還する。

厳しいことをいうようですが、こうした自覚の欠如が、この低い自主返還の数字にも表れているように感じています。

二度と、国民の税金をだましとるような不正な行為が蔓延しないように、「誰から、どのような形で勧誘されて、これだけの広がりになってしまったのか」など、さらなる調査の徹底が待ち望まれます。