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肩書を使ってのだましに注意!以前に、紹介した持続化給付金と思しき勧誘にも続きあり。

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
(写真:Paylessimages/イメージマート)

昨年5月にセミナーを開き、持続化給付金の不正受給を指南していたとして、男ら4人が詐欺容疑で逮捕されました。その一人は、自民党の事務所のスタッフをしていて名刺を持っており、名古屋市内でセミナーを開いた際には「グレーゾーンのところをグレーゾーンにしない方法」「自民党という立場を使って、抜け道を知っている」などと言い、不正受給を持ち掛けていたということです。

持続化給付金は、本来、新型コロナの影響を受けて、売り上げが減った人たちへ国から支給されるものです。しかし受給資格がないものが、ウソの確定申告を税務署に提出して、不正受給を行う詐欺事件が後を絶ちません。そこには必ず不正受給を指南する人物がおり、それを広げる勧誘者がいて、名義を貸す人物がいるという三者による構図になっています。

えてして、詐欺では、自分の経歴を高く偽ったり、有名人や政治家などの著名な名前を使うなど、肩書を使って相手を信用させようとすることが多くあります。

実は、昨年8月に掲載した、騙した者はダマされる。持続化給付金詐欺に仕掛けられた二重の罠。真の狙いとは!?の記事内で、次のような事例をあげました。

知人のもとに「個人事業者としてコロナ補助金を申請代行します」というメッセージが届き、申請の際の必要書類に「お金を受け取る際の銀行口座の通帳、運転免許証、マイナンバーカードのコピー」とありますので、持続化給付金の不正受給の可能性は極めて高いという、不正受給の情報が広く出回っていることを話し、注意喚起しました。

実は、これには続きがありまして、このメッセージには「政治家につながっている会計事務所が申請の代行をしてくれる」とあり、数十万円が手に入るという内容でした。

このケースでは政治家とのつながりを使って、それに応じてきてくれる不正受給者を募っており、まさに肩書を利用した手口です。

クローズされた環境下で騙す

もうひとつ、気をつけてほしいのは、セミナーというクローズされた環境下で「ここだけの話」と言って、だまそうとしてくることも多いものです。

詐欺だけでなく、高齢者に高額な物を販売する催眠商法や悪質な勧誘をするマルチ商法などでも、セミナー形式で相手を篭絡しようとしてきます。

セミナー形式になると、受講者は受け身になって聞いてしまいますから、講師の話が嘘だったとしても、それが見抜きづらくなり、心に突き刺さりやすくなります。

それに、受講する人の多くは、わざわざ足を運んで聞いているので、「何か自分の身になるものを持って帰らなければならない」と思って、真剣に聞いていますので、だまそうとする者にとっては、実に騙しやすい環境下になのです。

それゆえに、詐欺や悪徳商法では、セミナー形式での教え込みをよく行われます。

くれぐれも、セミナーでの内容は鵜呑みにせずに、その場を離れてから、冷静になって内容を吟味するようにしてください。それをしなければ、相手の術中にはまることになります。

これまで、不正受給を流布させる方法は、知人、友人を介しての勧誘や、SNS情報を載せて友人、知人や、見ず知らずの人も広く勧誘する。また、遊戯施設でゲリラ的な勧誘もありましたが、セミナー形式での話にも注意が必要です。

いまだ不正受給をしていながら、お金を返還せず、警察に相談していない人も多くいるかと思いますが、すべてが白日のもとにさらされる前に、勇気を出して、罪の告白への一歩を踏み出してほしいと思います。

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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