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2021年、ミニマル財布の時代が到来した! 今すぐ財布を買い換えていい3つの理由

山崎俊輔フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP
(写真:show999/イメージマート)

今年財布を買い換えるなら「ミニマル財布」にしてみよう

あなたがもし、財布が傷んでいて買い換えを検討しているなら、ミニマル財布を検討してみてはどうでしょうか。

ミニマル財布というのは、最低限度のモノだけを収納することで、財布の大きさをぐんと小さくするアプローチです。素材も工夫されていることが多く、検索するとほとんど名刺入れと変わらないサイズの財布があったりします。もちろん軽量なのもうれしいところ。

実は「2021年はミニマル財布の時機到来」だと考えています。現在発売中の日経WOMAN(2021年3月号「キャッシュレス生活をもっと楽しく、もっと賢く!貯まる財布のつくり方」)でミニマル財布の話をコメントしたのですが、ここで改めて(かつじっくりと)、ミニマル財布がなぜいいか話をしてみたいと思います。

理由その1:現金を持たなくてもよくなった(キャッシュレス社会が実現)

今までも、電子マネーやクレジットカードを使えばキャッシュレス決済ができたわけですが、2021年は「利用者」も「店舗側」もキャッシュレス決済に対応する状況が整いました。これが大きな変化の第1です。

まず、店舗側は、2020年のキャッシュレス決済の消費者還元事業により、端末設置割合が高まりました(お店側には設置にあたっての助成があった)。特に地元商店街の書店のように小さなお店でもキャッシュレス対応のところが増えています。そもそもお店がキャッシュレス決済できなければ意味がないわけですが、利用シーンが拡大したわけです。

利用者も、キャッシュレス決済の設定割合が高まっています。QRコード決済最大手のPayPayは3500万アカウントを持っていますし、Suicaの発行枚数は8000万枚以上です。

いざ使ってみると、一日ずっと現金不要でいることも可能になっており、こうした背景が「ミニマル財布」への移行を可能としているわけです。

理由その2:クレカ、電子マネー、ポイントカードがスマホに入るようになった

カードの多くが、スマホに入るようになったのも2020年の大きな変化です。

クレジットカードの多くは、AndroidPayないしApple Payに登録をするとiDないしQUICPayとして電子決済に使うことができます。カードを1枚くらい持ち歩くとしても、それ以外のカードについてはスマホにまとめておいて、必要に応じて使うこともできるわけです。

銀行のキャッシュカードもセブン銀行がセブン銀行のATMならカードレスで入出金できたり、みずほ銀行のようにキャッシュカードを登録してQUICPayもしくはモバイルSuicaとして使うこともできるようになっています。

電子マネーももちろん、スマホに入ります。モバイルSuicaとモバイルPASMOを使えば、通勤用に持ち歩いていたICカードはスマホと一体化します。QRコード決済がスマホだけで作動するのはもちろんです。

そしてポイントカードもスマホに入るようになりました。過去にも何度かコラムを書いていますが、ほとんどのポイントカードはアプリを提示しスキャンしてもらう方向になっています。財布をふくらませる邪魔者は実は家に置いておいても大丈夫なのです。

(参考 ビジネスジャーナル 山崎俊輔 スタバもアトレも…カードのアプリ化加速!ポイント何重取りも、ついに財布にカード0枚?)

理由その3:レシートはその場で撮影して捨ててよい

レシートも、財布をふくらませる邪魔者のひとつでした。これも家計簿アプリを活用しているなら、「その場で撮影して捨てる」ことができます。

レシートを保存するのは家計管理のためでしょう。今までは紙の家計簿に張り付け、手書きで転記し、電卓で小計を出す必要がありました。超面倒な話です。

家計簿アプリを計算は自動で行えますし、レシートはカメラ撮影して自動読み取りしてもらうことができます。ほとんどのアプリが対応済みです。なお、クレカや銀行の入出金を自動記帳するアプリ(アカウントアグリゲーション機能つき)もあります。これらは2020年には環境がすでに整っています。

あなたの手元には、すぐに撮影して自動読み取りをしてもらえる素晴らしい端末(スマホ)があるのですから、大事に持ち帰って週末にまとめて記帳する必要はもうないのです。

結論! 財布に入れるものは「たったこれだけ」でいい

というわけで、あなたの財布はそもそも「ダイエットできる」状態なのです。片っ端から不要なものを除けば、ミニマル財布に収まります。

財布に入れておくのはたったこれだけでいいでしょう。

  1. お札数枚程度、小銭数百円程度(基本的に1万円以上もたなくていい)
  2. クレジットカード1枚(なくてもいいかも)
  3. キャッシュカード1枚(なくてもいいかも)
  4. 免許証と健康保険証(なかなかなくせない)

これ以外に、どうしても減らせないものとしては、医療機関の診察券があります。これらは名刺入れなどを使って、健康保険証とともにまとめて管理してはどうでしょうか。ちなみに、取り組みの早い病院では、診察券をアプリ化しているところもあります。

自動車の免許証についてはなかなか持ち歩かないわけにはいきませんが、将来的にはスマホに入れる案が検討されていますから、進捗に期待したいところです。

――ミニマル財布で検索していると、お洒落でスリムなものばかりです。欲しくなってきたら、まずは財布のダイエットをしてみてください。今ある大きな財布は「自宅用」にできるかもしれませんね。

フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP

フィナンシャル・ウィズダム代表。お金と幸せについてまじめに考えるファイナンシャル・プランナー。「お金の知恵」を持つことが個人を守る力になると考え、投資教育家/年金教育家として執筆・講演を行っている。日経新聞電子版にて「人生を変えるマネーハック」を好評連載中のほかPRESIDENTオンライン、東洋経済オンラインなどWEB連載は14本。近著に「『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」「共働き夫婦お金の教科書」がある。Youtube「シャープなこんにゃくチャンネル」 https://www.youtube.com/@FPyam

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