2020年、コンビニATM無料の時代が終わる?みずほ銀見直しが決定打か

コンビニATM利用無料の時代終焉をみずほ銀行のサービス改定が告げる?(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

コンビニATMは無料なら最高の「財布」だった

仕事がらマネー関連の「2020年はどうなる?」というお題で取材されたり、あるいは自分で記事を書くことが多いのですが、ひとつ時代の変化がやってきそうな事象として「コンビニATM無料の時代の終わり」があるかもしれない、と考えています。

コンビニATMは無料で使えるなら「便利な財布」です。現金をできるだけ手元には持たないけれど、コンビニに行けば手数料無料でお金を下ろせるのであれば、まったく生活に困らないからです。

特に月4回あるいは無制限で無料の条件が整っている場合、週一以上使えることになるため、「現金が足りないとき一週間分くらいおろす」で使えばよく、かなり便利になります。

一方で手数料がかかる場合は「どうしても必要なときに使える財布」にランクダウンしてしまいます。「110円ないし220円かかるけど仕方がないからおろすか」という感じです。それでもクレカのキャッシングを使って利息を払うよりは安いとはいえ、できればいらない費用は払いたくないものです。

今まで、多くの銀行が割と軽い条件で、コンビニATMの無料サービスを提供してきました。ところが潮目は変わりつつあるようなのです。

みずほ銀行の「改悪」でメガバンクはかなり厳しい条件に

日本の三大メガバンクについてみてみましょう。

三井住友銀行についてはSMBCポイントバックで所定の条件を満たすと「月3回まで無料」です。「給与振込口座」「30万円以上の残高」「Web通帳の契約」「自社系クレカ引き落とし」が比較的簡単に得られる条件です。しかし、月3回だと週一ペースでは使えないことになります。

三菱UFJ銀行の場合、シルバーステージで月2回、プラチナステージで月3回までコンビニATM無料となります。「給与振込口座」か「自社系クレカ引き落とし」でシルバーステージ獲得はすぐできますが、プラチナにするのは簡単ではありません。月2回まではなんとか確保という感じでした。ちなみに、2018年3月1日からサービス変更になっているものです。

みずほ銀行はこれらに比較すると「月4回まで無料」が取りやすいメガバンクでした。現行制度であれば、給与振込口座として指定しているか、いくらでもいいので投資信託や個人向け国債などのリスク商品を持っていればよく、月4回までコンビニATMが無料でした。また他行振込手数料が月4回まで無料というのも大きなメリットでした。

ところがみずほ銀行はみずほマイレージクラブの条件見直しを発表しており、3月1日からの新プランでは優遇条件が大幅に変わります。

サービスのほうとしては

1.「コンビニATMについてはイーネットのみに限る」という変化があります。イーネットはファミリーマートなどで置かれているATMです。これはつまりローソン、セブンイレブンは無料利用がNGになるということです。さらに、

2.「コンビニATM利用無料の回数、他行振込手数料無料の回数が大きく減少」という点でも見直しがあります。イーネットだけしか利用できないのにかかわらず回数も下がります。他行振込手数料の回数も減少します。

Aステージ:イーネットATM月2回無料、他行振込手数料はなし

Sステージ:イーネットATM月3回無料、他行振込手数料月3回無料

となるのですが、給与振込口座指定だけで獲得できるのはAステージです。

3.つまり「サービス獲得のハードルが上がる」ということでもあります。Sステージになるためには提携クレジットカードで年100万円利用、投資信託等のリスク商品残高100万円以上、住宅ローンやカードローンの利用残高あり、という条件になります。ちょっと厳しい条件ということが分かります(カードローンで借金するのは簡単だが、手数料優遇を金利が上回るのがオチなので除外)。

三井住友銀行 ATM手数料 / SMBCポイントバック 

三菱UFJ銀行 コンビニATM手数料 / 優遇条件 

みずほ銀行 現 特典 / 判定条件 

みずほ銀行 新 概要

地方銀行なども一部撤退の動き

この動きはメガバンクに限るものではありません。地方銀行などにも変化があるようです。日本経済新聞の報道によれば、

日本経済新聞19/11/28 コンビニATMで顧客離れ セブン銀利用、初の前年度割れへ(有料記事)

セブン銀行やローソン銀行のビジネスモデルである「他行利用の手数料収入で稼ぐ」が危ういものとなっている、という報道ですが、そこでいくつかの地銀の手数料改定の事例が紹介されています。

「自衛策として広がるのが手数料の見直しだ。福島県が地盤の東邦銀行は18年7月、従来108円だった平日昼間のコンビニATMの手数料を2倍に引き上げた。三重銀行も同年1月から、時間外の引き出し以外は無料だったコンビニATM手数料を有料とした。いずれも引き上げ対象をコンビニATMに絞った。」

「新潟県の第四北越フィナンシャルグループも19年4月から傘下の北越銀行、第四銀行がコンビニATMの手数料を一部引き上げた。」

出典:日本経済新聞 19/11/28

もちろん、みずほ銀行の見直しの件も記事では紹介されています。

コンビニATM無料利用は「2020年バージョン」に見直しが必須

2020年は「自分の利用する銀行の条件改定」についてはアンテナを張っておいた方がいいでしょう。通常、数カ月以上の周知期間がおかれますが、気がつかずに周知期間が終わっていて有料引き出しになっていた、というのは怖い話です。

また、状況によっては「ATM利用スタイルを変更する」か「取引銀行を変更する」といった対策も考えるべきでしょう。

前出のメガバンクであれば、獲得できる利用条件はゲットしつつ、無料の範囲内で使いこなすことになります。銀行のATMでの利用を心がけつつ、どうしても必要なときに月2回くらいコンビニATM利用、というようなスタイルならなんとか無料を維持できます。また、メガバンクはATMだけを駅構内や地下通路などに設置する例が増えているので、こうした「マイATMマップ」を頭に入れておく方法もあります。

一方で、ネットバンクやコンビニ銀行(セブン銀行、ローソン銀行)に取引を変更する、という方法も考えられます。ネットバンクの場合、一定の条件を満たせばコンビニATMはもちろんメガバンクやゆうちょATMも利用できることがあり、「給与振込口座から月一度、ネットバンクにお金を振り込み、その後はネットバンクを日常使いとする」という方法で手数料無料を維持できます。

例えばソニー銀行ならATM引き出しが月4回まで無料、新生銀行はゴールドステージ以上にすればコンビニATMが無料になります。新生銀行のゴールドステージは他行振込手数料も月5回無料になります。条件獲得が一番簡単なのは月5000円以上の積立投資信託でしょうか。

ソニー銀行 https://moneykit.net/visitor/fee/

新生銀行 https://www.shinseibank.com/powerflex/relationship/

セブン銀行、ローソン銀行といったコンビニが設立するコンビニ銀行については、他のコンビニでは利用できないというネックがありますが日常の生活圏がローソン中心、セブンイレブン中心のように限定的ならそれほど困らず手数料無料生活に切り替えることができるでしょう。

あるいはキャッシュレス生活への切り替えも選択肢

もうひとつの選択肢があります。それは「現金をコンビニATMでそもそもおろさなければいい」というものです。つまりキャッシュレス決済への切り替えです。

電子マネーの利用、クレジットカードの利用を増やせば、現金をコンビニで時間外におろす必要性は下がります。深夜にお金が必要ならクレカか電子マネーで払えばいいわけです。

現金を用意してコンビニのレジでチャージするイメージがまだ強いかもしれませんが、スマホに設定した電子マネーであればクレカからチャージするよう設定ができ、慣れればスマホ画面でクリックするだけですみます。

クレジットカードがその場では現金が不要で翌月以降の支払いとなることはいうまでもありません。

銀行のキャッシュカードも「VISAデビッド」などの対応カードを発行している場合、切り替えておくと、困ったときにはクレジットカードとして使えます。この場合は即座に銀行口座から利用額が引き落とされ、残高の範囲でしか利用できませんが、手数料は無料です。つまり深夜の現金不足でコンビニATMに手数料を払うくらいなら、こちらのほうが有利です。

キャッシュレス決済の利用は、むしろポイントがつくため「手数料を払うどころか、ポイントがもらえる分、割安」ということでもあります。

……ここまでいくつかの対策を紹介してきました。2020年は銀行のATM利用、特にコンビニATM利用に関する優遇条件の見直しトレンドは避けられないと思います。銀行の条件見直しに負けず、消費者個人としてお得な選択肢を模索してみたいところです。