DVDを出して見返すなら、動画見放題の配信サービスで見た方が京アニのためになるかもしれない

現場写真は載せるに忍びない。京都アニメーションのホームページから。

戦後最悪の大量殺人事件に言葉を失う

これは戦後最悪の大量殺人事件である。子細はもう誰もの知るところとなったが、京都アニメーション(以下京アニ)のオフィスを狙った放火による大量殺人事件のことだ。

ある記事によれば、ひとりの人間が為した行動としては津山事件(「八つ墓村」のモデルとなった事件)の30人をこえて戦後最悪だという。一酸化炭素中毒により、また火災により亡くなられ、未来を失った方々には哀悼の言葉も無力だ。

(なお京都新聞の報道によれば、この建物に法令上の問題はなく、むしろ防災意識の高い事業所として京アニは表彰されていたという。また、ネットで噂されている情報とは異なり、屋上扉は無施錠だったという。だとすれば、想定外のテロ行為に日常が無力であるかがわかる。当初寄せられた多くの批判が筋違いであることは改めて考えておきたいところだ)

 (参考)京アニ「防火、防災に熱心な事業所」 京都市消防局が表彰も

 (参考)脅迫メールなど約200件 スタッフ名指しも 京アニ放火(記事最後に屋上は無施錠であったとの府警のコメントが記載)

私自身、オタクなFPとしてアニメやゲームに親しんでいるが、その中でも京都アニメーションの作品は大好きなものが多い。私が最後まで見た作品をあげても「フルメタルパニック(ふもっふ!、セカンドレイド)」「涼宮ハルヒの憂鬱(含む映画)」「けいおん!(第2期および映画含む)」「氷菓」「中二病でも恋がしたい!」「たまこまーけっと」「境界の彼方」「甘城ブリリアントパーク」がある。

「Free!」「響け!ユーフォニアム」「聲の形」「らき☆すた」など名作は数知れず。読者も多くの京アニアニメに親しんできたのではないだろうか。聞くところによると、被害に遭った建物に入っていた制作チームの被害は甚大で、今後の続編にも影響があるという。

今、SNSでは #prayforkyoani というハッシュタグをつけて哀悼の意を表す流れがあるが、FP目線で何か京アニのためにできることがないか考えてみた。それも寄付以外のやり方で。

それは「見放題の動画配信サービスで京アニ作品を見る」というものだ

引き出しのDVDを見返しても京アニにお金は渡らない

実は、私たちは「新しい著作権料」の時代に生きている。それは「そのつど著作者にお金が渡りうる仕組みの時代」だ。

かつて著作権料は「買い取り」のような仕組みだった。CDを買う、DVDやブルーレイディスクを買う、コミックを買うとき、買った瞬間に私たちは著作権料を値段に含めて支払い、その後は何度見返しても聞き返しても追加的な著作権料を支払う必要はないものだった。といっても、少額の著作権料をそのつど支払う仕組みがなかったから当然のことでもあった。

しかし、「京アニの今回の悲劇を悼んで、自宅の引き出しにしまっていたディスクを出して、懐かしのアニメや劇場作品を何度再生しても、京アニにはお金は入らない」ということでもある。

あなたがもし、AmazonプライムビデオやNetflix、Hulu、dアニメストアなどに契約をし、月額課金をしているなら違うやり方がある。

実はこうしたサービスは「見るたび、読むたび、著作権者にお金を払える仕組み」でもあるからだ。

見放題サービスで京アニのアニメと映画をみれば、そのいくらかは京アニに還元される

私たちは無料でライブ放送のテレビアニメを見るのが当たり前と思っていたが、見放題の動画配信サービスのインパクトは高まっている。

一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2018」のサマリーによれば、この5年間でネット配信市場は2倍に拡大、500億円に達しているという。近年拡大が著しい数字だ。

簡単にいえば、「ライブ放送をみても直接制作者にあなたのお金は払われない」が「動画見放題サービスを経由して視聴すると、あなたの月額課金の一部が制作者に支払われる」ということだ。

もちろん、実際の契約は単純ではない(契約金+一定以上の視聴回数で支払う、とか、制作委員会が配分割合を決定する、とか、分配ルールは無数に考えられる)ことはお断りするが、原則はサブスクリプション契約(月額課金)の視聴のほうが、著作者にお金は回りやすいと考えていい。

かつては「DVDを買って、制作者を支える」というファン魂があったが(私もよく買いそろえた)、今はもっと早い段階から直接的に支えることができるのだ。

未視聴の作品を、愛蔵している作品を、サブスクリプション契約経由でもう一度見てみよう

今、京アニのためにできることがあるとすれば、サブスクリプション契約をしている動画配信サービスがあるなら、 #prayforkyoani の気持ちを込めて京アニ作品をとにかく見まくることではないだろうか。それが制作スタッフの志を受け止めることになり、京アニに対して経済的にもサポートする力になるはずだ。

「かつて見た大好きだった作品」を見返すのもいい。筆者は「フルメタルパニック!ふもっふ」や「ハルヒ」のコメディ回など、ひとり静かに鑑賞し直してみたいと思う。笑顔で見直すことができるか自信がないが…。あなたにもそんな京アニ作品があるはずだ。

「未視聴でいつかは見ておきたかった作品」をこの機に見るのもいい。筆者は「ヴァイオレットエヴァーガーデン」と、未視聴だったいくつかの劇場版作品をこの機に見たいと思っている。配信サービスの種類によって対応するアニメは劇場版の種類は異なるが、筆者の環境(Amazonプライムビデオとdアニメストアを契約)では、かなりの京アニ作品が配信されているようだ。

――今回のコラムはあなたの貯蓄額を増やしてくれるわけでもないし、あなたの資産形成に資する話ではない。しかし、あなたのお金をどう使うか、そのお金がどこに行き渡るのかを考えてみるのも、FPの仕事だと思っているので、こんなコラムをまとめてみた。

サポートする方法として寄付も考えられるが、まだ寄付を受け入れる体制は整っているとはいえない。今は「見て、支える」方法、いわば

#watchkyoani

で京アニと寄り添ってみてはどうだろうか。