一年間にいくら使うとあなたはオタクといえるのか? 驚きの金額が明らかに

オタクの年間出費額、実は月1万円以下?(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

年間4万円、月3500円も使えばあなたは立派なオタクです? えっそれだけで?

オタクの消費というのは一般的に旺盛だと考えられています。好きなアイドルのCDを箱買いしたり、コンサートツアーを全部見に行ったり、オンラインゲームへの課金やスマホのガチャへ際限なく貢いでいるようなイメージです。

それこそ毎月給料の半分くらいを使うのもためらわない、というイメージがあります。毎月の手取りが20万円の人が半分使い続ければ年120万円です。毎年これくらい使っていれば確かにすごいオタク!という感じです。

実は私も毎月3~4万円は確実にマンガやらゲームに使う「オタクFP」なのですが、少なめに自己評価しても年50万円程度です。詳細を詰めればもう少し積み上がるとしても年70万円くらいかなあと思います。

ところが、一番使うオタクでも「年10.4万円」月当たり8700円程度でしかない、という驚くべきデータが公表されてオタク業界(?)を震撼させています。

もちろん「そんなに使っているの?」ではなく、「たったそれだけ?」という意味です。

2/5掲載Yahoo!ニュース掲載の記事(アキバ経済新聞)

「オタク」人数最多は漫画、消費金額1位はアイドル10万円超 矢野経済研究所

1/30掲載 ITメディア 一番お金を使っているのは“何オタク”? 矢野経済研究所が調査

矢野経済研究所プレスリリースページ

オタク人口の拡大はひとりあたりの消費金額を引き下げる?

データ元の矢野経済研究所のプレスリリースによれば、調査の母数は

日本国内在住の15歳から69歳までの男女10,408人に、「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施した。「あなたは自分を何のオタクだと思いますか、もしくは人からどんな分野のオタクと言われたことはありますか」という質問への回答者数(複数回答)をもとに、各分野の「オタク」の人数を拡大推計した(略)

出典:矢野経済研究所

となっています。

人口推計でもっとも多いのは「漫画」640万人、「アニメ」598万人でこれは長年にわたり鉄板の1位・2位のようです。あいだを空けて「アイドル」280万人、「オンラインゲーム」216万人がこれに続き、100~130万人規模でこれに続くのが「ライトノベル」「同人誌」「声優」「フィギュア」となります。いかにもオタク、って感じの趣味が並んでいますね。

しかし消費金額ベースではランキングは大きく変わります。圧倒的に高いのが「アイドル」年10.4万円で、あいだがぐっと空いて「メイド・コスプレ関連サービス」6.8万円、「鉄道模型」6.4万円、「フィギュア」4.8万円、「オンラインゲーム」4.6万円、「トレーディングカード」4.5万円などがあがります。

並べてみると趣味人口と消費額のランキングが大きく違うことがよく分かります。実は「漫画」は年2.1万円、「アニメ」は年2.0万円と金額としては小さいのです。

これにはいくつかの理由が考えられます。「オタク」の定義がライト化しているというものです。「あ、ぼくマンガオタクなんですよー。ワンピースは新刊出たら速攻読みますね(でも月あたりのマンガ購入費用は1000円くらい)」というような人が増えれば平均購入単価は下がります。私のようなマンガ大好き人間が年50万円マンガを買おうとも、です。

趣味の人口が多いということは広くビジネスとしては拡大する点もあります。約40万人が年6万円を使う鉄道模型よりは、約600万人が毎年2万円使う漫画やアニメのほうが市場規模はやはり違うわけです。

モノ、サービスにつながる趣味は高額になりやすい

一方で、使う金額が高い趣味には一定の特徴がみられるように思います。それは「モノ」あるいは「サービス」に対して支払う趣味は相対的に高額となる関係です。

鉄道模型、フィギュアといった趣味が消費金額が高くなるのは「モノ」、特に長く所有する立体造形にお金を支払うからです。また「トレーディングカード」も含めると「たくさん所有」することが求められるコレクター的趣味はどうしても費用が高くなります。

この点では漫画やアニメは出版社が出すマンガアプリが無料で利用できたり(広告が表示される)、dアニメストアやAmazonプライムビデオのようなサブスクリプションサービスでアニメが見放題だったり、低コストサービスがあるため、出費額が下げられるコンテンツであることとも対比的です。

また「サービス」に近い趣味も高額になりがちです。「アイドル」についてはコンサートや握手会などのショーが出費を高める要因だと考えられますが、特にコンサートに伴い旅行をする場合、チケットは1万円以下でも移動費用と宿泊費用が数万円に達することもありますからまさに倍増です。

「メイド・コスプレ関連サービス」のひとつであるメイド喫茶などもそこで滞在する時間に払う費用は純粋なお茶代より割高になりますし、お気に入りになると何度も通うことでお金を何度も支払う性格があるので予算が高まります。

一瞬あるいは数時間で終わるタイプの「体験」に対してお金を出す趣味は、何度もお金を費やしたくなりますし、またそのたびに費用が高まっていくことになるわけです。

「複数の趣味」はコントロールが大切

とはいえ、このコラムは高額出費の趣味を否定する目的で書いているわけではありません。むしろ、どんな趣味でも人生の生きがいですから、生活と家計を破たんさせないのであれば私は許容されるべきと思います。

ただしFPとしてひとつアドバイスをするならば、「予算のコントロール」を考えてみてくださいとあなたにお伝えしておきたいと思います。

まず「ひとつの趣味の予算のコントロール」です。平均程度の趣味、つまり月1万円に収まる程度であればそれはあまり心配に値しません。これならむしろ飲み会にダラダラ参加している無趣味のおっさんのほうが支出額は大きくなっているくらいです。

ただし平均を何倍も上回っている人はその趣味の予算の高いことを自覚し、他の支出を抑えることで穴埋めする意識が必要です。やはり月1万円以上お金を入れるようになったら、予算はセーブする感覚を持ち始めたほうがいいでしょう。

「この趣味のために食費や被服費は抑えめに」とか「次のツアーも行くために、今回は全公演参戦はあえて断念しよう!」のように工夫することで、その趣味を続けていくことができるのです。

また、「複数の趣味の予算のコントロール」も考えてみてください。趣味人はどうしても他の趣味も重ねて持っていたりします。たとえば「漫画」と「アニメ」が金額は小さいとしても両方趣味として出費している人は合計では年4万円を超えてくるため「高い趣味」の部類になってきます。これに「声優」も追っかけ始めると、気がつけばお金はどんどんかかってきます。

どちらかの趣味についてはメリハリをつけて出費を抑えられると理想的です。

趣味は生きがいです。しかし生きがいが現実の家計を侵食して崩壊させてはいけません。今回のニュースをきっかけに、自分の趣味について考えてみてはどうでしょうか。