4人に1人が無趣味の時代、趣味は「適当」に見つけなさい~オタクFPが教える趣味探し術

趣味はマジメに探すより適当に探す方がいい理由とは(写真:アフロ)

趣味や生きがいは、長生きの秘訣かもしれない

趣味や生きがいがない、という人はどんな世代にも一定割合います。博報堂のサイト「生活定点1992-2016」によれば無趣味と回答する人の割合はなんと25.0%で4人に1人が無趣味という結果になっています。(→リンク

趣味や生きがいのある人と、そうでない人のどちらが健康であったり長生きであるか、はまだ関係が明らかでないことが多いようですが、ある研究によれば、「趣味、生きがいを「両方持っている人」に比べて、「いずれも持っていない人」では死亡のリスクが2.08倍」であったそうです。(→リンク

普通に考えても、趣味や生きがいを持っている人のほうが無趣味な人よりはストレスはなさそうですし、社交的である人のほうが独居で誰とも会話をしない人より健康にもポジティブな影響が生じそうだ、とイメージできると思います。

ただし「健康や長生きのために趣味を持て」というのは余計なお世話です。無理して趣味を持ったら、趣味がストレスになるのがオチだからです。趣味はやっぱり「好きだから趣味」であり「趣味を楽しんだり社交的であった結果として、健康や長生きになった」というロジックにする必要があります。

オタクFPはなぜオタクFPになったのか

筆者はオタクFPと自称することがありますが、FP業界きってのオタクを自認しています。

基本的に、マンガ、アニメ、ゲームについては予算をゼロにせず20年以上過ごしてきました。毎月のオタク趣味予算は3万円を軽く超えるペースをずっと維持しています。

何度か断捨離してもコミック蔵書は4500冊を超えていますし(ワンピース等のメジャーなコミックは含まず)、一時期はコミックレビューの連載もしていました(要望があれば、連載引き受けますのでお声かけください)。

もうひとつ、まちあるきの趣味もあって、東京スリバチ学会(ブラタモリやタモリ倶楽部にも登場の団体です)の会員で、隔月くらいで都内のまちあるきをするのが楽しみのひとつです。

まちあるき業界では、看板建築マニアとして密かに有名で(広告看板のことではなく、関東大震災以降の数十年のみ見られる個人商店の独特の建築様式のこと)、こちらは一時期ブログ連載もしていたので電子書籍も一冊出しています。

しかし、「なんでその趣味なんですか」と聞かれれば、「好きだったから……」とか「続けていただけで……」としか答えようがありません。

強いていえば、マンガのほうのオタク趣味は「中学のとき、体育会系部活の権威主義に絶望して、文化系部活に入り直したら部長が特撮オタク、副部長がアニメオタクだったから」ですし、まちあるき趣味のほうは「暇だったときに、たまたまブログで見かけたまちあるきに参加して、そのときたまたまiPhone 3GSを買ったばかりでおもしろがって建物を撮影しまくったから?」という感じです。

オタクの格言に「オタクはなろうと思ってなるわけではない 気がつけばオタクになっているだけだ」というものがありますが、趣味というのは気がつけばのめりこんでいた、というものだと思います。

趣味をみつけるコツは肩の力は抜いて「適当」に探すこと

そんな私から、趣味をみつけるコツをアドバイスするとしたら、それは「気負わない」ことです。

マジメな人ほど、「趣味をみつけよう」と肩に力を入れるわけですが、映画ファンが「映画ファンになろう」と思って映画を何百本も見て映画ファンになったわけではありません。

最初は「新作映画は見てみよう…」とか「深夜に放送される名作映画を見ているうちに気がつけば…」というような感じで、映画ファンになっていくわけです。

もし、趣味が皆目見当つかないという人がいたら近くの「カルチャースクール」のカリキュラムを眺めてみて、ひとつかふたつ「適当に」受講してみましょう。3回コースで3000円くらい、が多いのではないかと思います。お試しには悪くない金額です。

試しに受けてみて、よりステップアップしてみたいと思うなら、その先生が個人的に開いている教室に通ってもいいでしょう。そうすれば趣味の道が広がります。

いきなり陶芸教室に通うのはハードルが高いかもしれませんが、カルチャースクールや体験教室からなら「この先生で長く教わりたい」という相手を見極めるチャンスにもなります。

逆に内容がイマイチだったなら、3回目講座の3回目はもうパスしてもかまいません。あなたが欠席したことなど誰も気にしていないからです。面白くないけれど欠席したら失礼では、と考える必要はないのです。

ピンとこないときは同じテーマで別のカルチャースクールで受けてみるのもいいですし、違うテーマの別講座を受けてみてもいいでしょう。公民館や歴史博物館が主催する講座、社会人大学や市民講座のように、誰でも受けられる講座を大学等で探してみるのもいいでしょう。

繰り返しますが「適当」なくらいが趣味探しはいいのです。同じテーマも別のスクールで受けると「あ、この講師なら続けて習ってもいいかも」と思うことがあります。今年の自分の精神的余裕と、来年の自分の精神的余裕の差で、趣味にはまらなかったりすることもあります。偶然や出会いに左右されることが多いのが趣味探しなのです。

連れション趣味はNG 「友人に連れられて」はやめておこう

先ほどの例では「ひとりでお試しに受講する」というスタイルを紹介しました。趣味を見つけるのに友人の紹介をイメージする人もいると思いますが、こちらはどうでしょうか。

「何かおすすめの趣味はない?」と友人に話して、趣味の世界に引き入れてもらおう、というのは、実はあまりオススメができません。「連れション趣味」を無理矢理作らされる恐れがあるからです。

連れション趣味というのは、「お、なんだ、だったらオレと一緒に碁会所行こう。おまえも囲碁くらい覚えたほうがいいよ」のようにすでにその趣味ではレベルの高い友人に連れられて、趣味を始めようとするパターンのことです。

このパターン、最初はいいのですが、「碁会所にいつもいる○○さんとはどうも気が合わないのだが、友人の顔を立てて、たまには碁会所に行かなくちゃな」とか「友人のレベルの高さを考えると、自分なんかまったく足手まといで、相手してもらって申し訳ない」のようなことを考え始めることがあります。このトラップにはまったらこれは最悪です。

楽しさのために趣味をするのではなく、人間関係の配慮のために趣味をする状態になっているからです。その趣味を止めることすら友人に気をつかうようでは、何のための趣味なんだ、ということになります。

友人に誘われたときは、いつでも断れることを頭に留めておきましょう。また断るなら早めの断りをすることです。そのほうがお互いの人間関係にとっても傷を小さくします。

名刺は捨てて、ただの一個人として趣味をみつけよう

最後にもうひとつアドバイスするなら、「会社の名刺は何の役にも立たない」ということです。趣味を探すとき、高年齢の人や下手に偉くなってしまった人ほど趣味探しに難儀します。それは、有名な会社の社員であるとか、社内では誰もが頭を下げる役職者であることにムダなプライドを持っているからです。

そんなものは、趣味の世界ではまったく意味がありません。趣味の世界ではただ、趣味の知識の広さや実力だけで評価される(というか普通の趣味なら評価も関係ない)と考えてみましょう。

私もまちあるきしているときなどは、「ただのぼけーっとした兄ちゃん」くらいの感じで歩いています。秋葉原で新作コミックを物色するとき、私のキャリアなど何の役にもたちません。

でも、そのほうが気軽ですし、楽しいものです。古地図や地形図をみながら、誰かの説明をうんうんと聞きつつ(半分以上は知っていることであっても、残り半分の「知らなかったこと」を楽しむ)、実際に歩いてみて感動し、終われば居酒屋で乾杯するような感じでまちあるきするのは楽しいものです。

あなたもぜひ、のんびり長く楽しめる趣味を持ってみてください。趣味や生きがいにはお金がかかりますが、きっとそれ以上に精神的な充足や安定を手にすることができるはずです。

そしてそれは、家計のアドバイスをするファイナンシャルプランナーとしても、「堂々と使っていいお金」だと思います。