若年女子で今期一番のブレーク!~上白石萌音×佐藤健『恋はつづくよどこまでも』の実力~

『恋はつづくよどこまでも』ホームページから

冬ドラマも折り返し点を通過したが、ここまで全ドラマの中では、『恋はつづくよどこまでも』が若年女性の間でのブレークぶりで、他と差をつけている。

世帯視聴率だけでみると、2月17日放送まで『トップナイフ』が平均11.4%で首位。11.2%の『テセウスの船』が2位で、『恋つづ』は10.2%で3位だ。

ところが若年女性でみると、『恋つづ』は初回こそ普通の数字で始まったが、みるみる個人視聴率を伸ばし、今やトップに躍り出た。

若者をターゲットとした恋愛ドラマは世帯視聴率がとれないと言われているが、若年女性に引っ張られ、その親世代も一緒に見ている傾向にある。『恋つづ』はどうやら新たな金脈となっている。

若年層の動向

今期は民放ドラマ14本のうち、5本が医療ドラマとなった。

関東地区で2000世帯5000人ほどのテレビ視聴動向を調べているスイッチ・メディア・ラボによれば、世帯視聴率で首位を行く天海祐希主演『トップナイフ』は、FT層(女性13~19歳)でも、初回はぶっちぎりの1位だった。ところが回を追うごとにじり貧となり、6話では完全に馬群に沈んだ。

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F1層(女性20~34歳)でも、数字は伸び悩んだ。

2005年に若年層を熱狂させた『女王の教室』で怪演した天海だが、どうやら今は中高年に注目されるドラマ向きへと進化を遂げている。

『恋つづ』以外の医療ドラマも、若年層にはリーチしなかった。

伊藤英明主演『病室で念仏を唱えないでください』、松下奈緒主演『アライブ がん専門医のカルテ』、小泉孝太郎主演『病院の直しかた』は、T層や1層だけでなく、2層(35~49歳)でも数字をあまり伸ばさなかった。

やはり医療ドラマは50歳以上の中高年ドラマとなりやすい。

医療ドラマ以外では、世帯視聴率2位の竹内涼真主演『テセウスの船』が、『恋つづ』にFT層で肉薄した。

ただしF1層は横ばいにとどまり、初回から5話までで1.5倍以上に上げた『恋つづ』には及ばなかった。TBS日曜劇場は、やはり50代以上の視聴者メインが揺るがない。

この中にあり、『恋つづ』は若年女子で他を圧倒した。

初回から5話までで、FT層は1.85倍に個人視聴率が膨らんだ。F1層は1.55倍。どうやら佐藤健の存在が、若年女子の心を鷲づかみにしたようだ。

ネット上には、絶賛の声がたくさんあがっている。

「最高すぎます」

「もうキュンキュンしかない」

「まじかっこよすぎます」

「心臓止まりそう」

他の層への波及

若年層の親の世代にも、『恋つづ』視聴が波及している。

F2層(女性35歳~49歳)では、初回から5話までで1.3倍に増えた。F3-層(女性50~64歳)も1.23倍だ。

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若年男子も反応した。

MT層が1.53倍。M1層に至っては2.47倍。親世代のM2層でも1.67倍、M3-層も1.29倍と数字を伸ばした。

男性視聴者の場合、上白石萌音の存在が大きそうだ。

それを裏付ける声が、ネット上に散見される。

「萌音ちゃん可愛い」

「カワイすぎてキュンキュン」

「永久保存したい」

「ほっこりしています」

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男女を問わない若年層でのブレークと、その親世代が一緒にみている様は、親子二世代の家庭、あるいは三世代の家庭での視聴率の高さからも裏付けられる。

『トップナイフ』が『恋つづ』に肉薄しているものの、他3医療ドラマとは大きな差をつけている。

『逃げ恥』との比較

若年層でのブレークといえば、16年秋放送の新垣結衣×星野源『逃げるは恥だが役に立つ』があった。

両ドラマとも、20代女子と30代男子のカップルの物語だった。ところが恋愛物語としては、『恋つづ』がガチな胸キュン・ラブストーリーに対して、『逃げ恥』は恋に晩熟な男女のじれったい物語という変化球だった。

両ドラマとも、初回の世帯視聴率は大差なかった。

FT層についても、初回から5話までで1.8倍強の上昇と同じような推移を見せた。またF1層では、『恋つづ』が上回る伸びで、ガチ恋愛ドラマが大健闘をみせた。

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ところが中高年で、違いが大きくなった。

F2層では『恋つづ』1.31倍に対して、『逃げ恥』は1.54倍。F3-層では、1.23倍に対して2.27倍と、『逃げ恥』が大人の女に大きく訴求したのである。

『逃げ恥』は高学歴漂流女子と高齢童貞男子が、契約結婚からリアルな恋に発展していく物語だった。

男女のあり方について、新しい価値観を提示した点が、既に恋愛期を通過した女性にヒットしたようだ。一方、中高年女性にとって現在進行形のガチ恋物語は、子供と随伴視聴はするものの、本音の部分では大ブレークとはならなかったようだ。

『恋つづ』今後の展望

『逃げ恥』では、神回と言われた二人がキスをした6話を経て、視聴率は各層で急上昇を始めた。

一方『恋つづ』は、4話で必殺“治療キス”が飛び出したが、これを受け新たなステージに入った5話は、FT層以外はあまり反応しなかった。やはりテレビ視聴者の過半を占める50歳以上を動かさないと、世帯視聴率はあまり反応しないようだ。

ただし10代をテレビに向かわせた功績は大というべきだろう。

テレビ広告に対して、今やスポンサーの目は厳しくなっている。広告効果があまり期待できない高齢層に特化した番組が増えているからだ。

そんな時代に、10代や1層を振り向かせ、結果として親世代の随伴視聴を増やした『恋つづ』は、テレビの新たな可能性を示したと言えよう。

その意味では18年秋以降、日テレが『今日から俺は!!』(賀来賢人)・『3年A組』(菅田将暉)・『あなたの番です』(原田知世×田中圭)で、若年層をドラマに取り戻したのと同じような成果を残したと言えよう。

“魔王”佐藤健と“勇者”上白石萌音の駆け引きが、若年層から親世代をどこまでテレビへ釘付けにさせるのか。後半の健闘に期待したい。