橋本マナミも丸裸!又吉直樹の頭もお見通し!~Nスペ『人体 神秘の巨大ネットワーク』が快進撃!!~

NHKスペシャルHPから

去年9月から始まっているNHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク』。今夜の第6集「“生命誕生”見えた!母と子 ミクロの会話」で7本目の放送となる。

医学の世界では、従来の「人体観」が覆る“巨大なパラダイムシフト”が起こりつつあるというが、その実態をシリーズは伝えている。

実はこのシリーズ、視聴者の評価が極めて高い。医学の進歩に、映像化の最先端テクノロジーが加わり、本来は難解な学術成果を、誰にでもわかるようにビジュアル化しているからだ。

番組の何が、視聴者にどう評価されているのかを振り返る。

ビジュアル化

写真は女優・橋本マナミを、実際に丸裸にした映像だ。

NHKスペシャルHPから
NHKスペシャルHPから

MRI(磁気共鳴映像法)で彼女の全身のデータを記録。それを世界最先端の映像技術で立体化したものだ。腸・胃・肝臓のほか、筋肉や脂肪がどうついているか、体内がリアルに浮かび上がってしまったのである。こうして筋肉や脂肪が想定外の働きをしていることが分かってきたという。

一方こちらはお笑い芸人で芥川賞作家・又吉直樹の脳の画像。

NHKスペシャルHPから
NHKスペシャルHPから

世界最高性能のMRIにより、よく知られた皺が刻まれた脳が映像化されたが、さらに脳の神経細胞の束まで浮かび上がらせてしまった。この複雑なネットワークを分析することで、“ひらめき”のメカニズムが解明されてきたという。

さらに番組では、最先端の顕微鏡や8K顕微鏡などを駆使して、人体のミクロな世界をコンピューター上に立体的に再現したり、動画として映し出したりする。

画像

こうして従来は脳など限られた臓器だけが、ホルモンなどのメッセージ物質を出して全身をコントロールしていると考えられてきたが、最先端の医学で多くの臓器の細胞からもメッセージ物質が出ていることが解明されてきた。つまり脳が体の唯一の司令塔ではなく、臓器同士も独自にコミュニケーションをし、人体のネットワーク全体で健康を保ち、病気を予防していたのである。

視聴者の評価

このシリーズ、視聴者の評価がすこぶる良い。

そもそもNHKスペシャルは、去年10~12月の平均が6.4%(日曜9時枠)で分かる通り、あまり多くの人に見られているとは言い難い。ところが去年10月1日放送の第1集「“腎臓”が寿命を決める」は、視聴率が12.3%にもなった。石原さとみが出ていたとは言え、普段の倍近い数字はやはり内容そのものへの関心の高さと言えよう。

データニュース社「テレビウォッチャー」は、関東2400人のモニターのテレビ視聴実態と番組への評価を調べている。これによると、これまで放送された同シリーズ6本への視聴者の満足度は3.84。ドラマの平均が3.6~3.7なので、娯楽番組の平均より相当高い評価を得ていることになる。

「テレビウォッチャー」から作成
「テレビウォッチャー」から作成

しかも視聴者層が特殊だ。普段のNスペは視聴者の大半が60~70歳代で、59歳以下の視聴率は1%ほどしかない。ところが同シリーズの視聴者に限っては、1層(男女20~34歳)が9.5%、2層(男女35~49歳)が24.2%も占めた。明らかに通常より若い層に見られている。

例えばF1(女20~34歳)の満足度は4.73。筆者がこれまでに見たこともないような高評価となっている。F1の7割以上が最高評価の5点を入れ、3割弱が次に高い4を入れた計算だ。

他にもF2(女35~49歳)が4.12、F3(女50歳以上)が4.29と、女の評価がドキュメンタリー・教養番組としては異様に高い。

個別番組への評価

個別の番組で見てみよう。

評価が最も高かったのは、視聴率最高の第1集「“腎臓”が寿命を決める」だった。腎臓の中の直系0.2mmほどの小さな部位が、絶えず全身にメッセージ物質を出し続けている。このパワーを活用することで、糖尿病・心筋梗塞・高血圧などの病気治療に革新が起きている。さらに健康寿命の鍵を握る物質を腎臓が調節していることも分かってきた。つまり腎臓の働きを健全に保てば、寿命が延びるというのである。

「腎臓があそこまで重要な機能を持っているとは意外だった」男26歳(満足度5)

「今まで地味だと思っていた腎臓が、色々な機能があることを知り勉強になった」女29歳(満足度5)

「並の健康番組とはエビデンスと説得力が違う」男59歳(満足度4)

「映像技術がどれほど理解に役立っているかを実感させる」女68歳(満足度5)

目から鱗の視聴者がたくさんいたことを窺わせる視聴者のコメントがたくさんあった。

次に評価が高かったのが、満足度4.08の第3集「“骨”が出す!最高の若返り物質」だった。カチカチのカルシウムの塊と思われがちな骨からも、メッセージ物質が全身に届けられ、肉体の若さを保っている。またそのメッセージ物質が脳に届くと記憶力をアップさせるし、免疫力も高め病気から守る機能もある。逆に言えば、骨からのメッセージが途絶えると、命のスイッチを切るかのように老化現象が進むというのである。

「今まで骨が体内の若さに関わっているなんて知らなかったので勉強になった」女29歳(満足度5)

「歩くことがいいのが分かってよかった」男47歳(満足度3)

「これはデジタル技術を使った現代版の動く図鑑と言えそう」女68歳(満足度4)

次に高評価だったのは、満足度4.02の第5集「“脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体」。人類を代表して丸裸にされたのが、又吉直樹。“ひらめき”のメカニズムがどう解明されたかが紹介されると共に、山中伸弥教授がノーベル賞につながる“ひらめき”を得た秘策も登場。また脳のネットワークの研究により、認知症克服のための新たな戦略が見え始めていると紹介された。

「科学的な解明がここまで進み、誰にでも分かるように動画で見せてくれる技術は素晴らしい」女68歳(満足度5)

「めちゃくちゃ面白い。星8個でも良い」男61歳(満足度5)

「特に興味深かったのがボーッとしている時にこそ、ひらめきが起きるということ」女44歳(満足度5)

他にもプロローグ「神秘の巨大ネットワーク」では、国立がん研究センターが一滴の血液から13種のがんの早期発見へと歩を進めているとあった。なるべく早い開発を期待したい。

第2集「驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守る」では、ただの脂身に見える脂肪が、全身に情報を伝える特別な情報を出しているとされた。例えば脳に働きかけ、欲望をコントロールしている。さらに免疫の働きも左右しているとのことだ。

また筋肉もメッセージ物質を出し、がんの増殖を抑えたり、記憶力をアップさせたりしている。

第4集「万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった」では、ウンチが通る管と思われがちな腸が、実は無数の神経細胞を持つ“第二の脳”というべき臓器であることが示された。この人体の中の独立国家というべき腸が、命に係わる意外な役割を果たしていることがわかってきた。免疫力を司っているのである。

視聴者がテレビ番組に求めるものはいろいろあるが、“自分事”は最も大きな視聴動機だ。

健康に不安を持ちがちな高齢者は当然だが、健やかな生活を願うのは若年層でも同じこと。こうした人々のニーズにこたえる同シリーズ。老若男女を問わず大勢に見られ、高い満足度を得てきたのは納得できる。

最先端の科学の成果と映像技術を駆使した”番組の進化”に期待したい。