『コード・ブルー3』を客観的に評価してみた!~データで見る評価とラストへの期待~

いよいよ最終回を迎える『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON』。

9話までの平均視聴率は14.5%。今期ドラマの中では、断トツの首位となっている。同ドラマの評価について、終盤を迎えても相変わらず「過去作よりも強くなった恋愛要素への不要論」が根強くあるようなので、あらためて多くの視聴者はどう評価していたのか、客観的なデータで同ドラマを位置付けておきたい。

なお、同ドラマの論評については、(『コード・ブルー』人気を支える“3つの波”~緊急救命物語・山ピーやガッキーらの人間ドラマ・医療問題~)と(恋愛要素を否定するネット記事は正しい?<反批判のドラマ批評4 山下智久×新垣結衣『コード・ブルー』>)を前半と中盤期に認めているので、詳細はそちらを参照して頂きたい。

ハマった人大量発生!

ドラマのヒットはビデオリサーチ社の視聴率や総合視聴率で図ることができる。

この1年では断トツなのが、『ドクターX~外科医・大門未知子~』4期だった。平均視聴率21.5%は久しぶりの20%の大台超えだった。

ただし同じクールに放送された『逃げるは恥だが役に立つ』も負けてない。平均視聴率こそ14.6%で大きな開きがあるが、最終回の総合視聴率(録画再生を含む視聴率)は33.1%で『ドクターX』を上回った。

またデータニュース社「テレビウォッチャー」のデータでは、全話を欠かさず視聴した人の率はほぼ互角だった。ハマった人が如何に多かったかが分かる。

今春放送の『小さな巨人』が両ドラマに次いで好成績を収めていた。平均視聴率は13.6%と『コード・ブルー3』に届いていないが、総合視聴率でも全話視聴率でも肩を並べている(『コード・ブルー3』は9話までのデータ)。

ちなみに今クール視聴率2位の『過保護のカホコ』(平均視聴率11.5%)と比べて見ると、総合視聴率では6%ほど開きがある。さらに全話視聴率では、倍近い差となっている。一般的には、全話視聴率が1%未満のドラマはざらにある。昨秋の2ドラマには及ばないものの、『コード・ブルー3』にハマり毎話欠かさず見ていた人が如何に多かったかが分かる。

高い満足度 

ネットの記事やソーシャルメディア上では、シーズン3が前2作と比べ、本格的な医療ドラマから、“恋愛要素”を含めた人間ドラマをより織り交ぜたことで、批判が殺到するように見えた。「脚本家変更で視聴率大コケの可能性?」「恋愛要素にうんざり」「批判殺到」「大ブーイング必至」などの文言が躍っていたのである。

これらの声は、ある意味ラウドマイノリティの意見であり、必ずしもサイレントマジョリティの声とは一致しない。例えば視聴率で言えば、「恋愛要素にうんざりなので、もう見ない」などの声がある割には、大きく下落していない。初回から2~3%落ちているように見えるが、録画再生を含めた総合視聴率で見ると、23%前後で安定的に推移している。視聴率が下がったように見えるのは、“忙しいため”あるいは“じっくり見たいため”に録画再生視聴をする人が増えたのが主因だった。決して途中離脱した人は多くはなかった。

「テレビウォッチャー」が調べる満足度でも、途中で見るのを辞める人がほとんどいない状況が見てとれる。

初回から3.94と突出して高い満足度を出し、9話まで一度も3.9を切ることなく推移し、9話までの平均は3.97となっている。ドラマの平均は、5段階評価の3.6~3.7なので、シーズン3への評価はかなり高い。

データニュース社が調査を始めた2012年春以降では、『半沢直樹』4.34・『下町ロケット』4.23・『逃げるは恥だが役に立つ』4.11がベスト3だ。これらには届かないものの、『ドクターX』3.93・『小さな巨人』3.92・『HERO』3.89よりは上回っている。

視聴者の声

「テレビウォッチャー」モニターは2400人。膨大なサンプルの中から抽出したもので、毎日自発的に視聴したテレビについて、評価は意見を寄せてもらっている。

こうしたモニターの声を拾うと、確かに恋愛要素に対する否定的な意見はある。

「医療ドラマなんだから恋愛要素要らない...」

「脚本家かえて。バリバリヘリにのるバリバリ手術するコードブルーが観たい」

「コードブルーやのに全然ヘリ乗らないし、恋愛要素多すぎてつまんない」

「恋愛要素これ以上入ったらもう見ないから」

ドラマ内の“恋愛要素”に一度でも言及したのは11人、出現率2.7%に過ぎない。この11人の意見を詳しく見ると、ネット記事などと同じ“恋愛要素”全否定派は、実は11人中2人に過ぎない。確かに“恋愛要素”に言及した上で、低い満足度をつけていた。

ところが“次回見たい度”で見ると、2人とも「絶対見る」「なるべく見る」「たぶん見る」辺りに入れており、完全に視聴を辞めてはいない。

他の9人は、“恋愛要素”に触れつつも、当初は厳しい満足度だったが後半に評価を上げた人、あるいは、関係なく評価が高い人だった。

つまり、そもそも“恋愛要素”を気にしていない人が大半だが、“恋愛要素”に触れた人も決して否定的というわけではないのである。

最終回への期待

「テレビウォッチャー」の次回見たい率で見ると、初回から一貫して「絶対見る」と回答した人が6割ほど、「なるべく見る」が3割ほどで大きく変わっていない。

最終回直前の第9話でも、「絶対見る」に入れた人67%、「なるべく見る」25%、併せて92%の人が次回を見たいと答えている。

「今後の展開が気になる」男47歳(満足度4・次回絶対見たい)

「最終回が待ち遠しい」女52歳(満足度5・絶対見たい)

「考えさせられた。続きが気になる」女30歳(満足度5・なるべく見たい)

「え?どうなるの?」女21歳(満足度5・絶対見たい)

「医療ドラマなのか、人生ドラマなのか混乱してしまい、このまま最終回と思うとスッキリしない」女34歳(満足度4・絶対見たい)

『コード・ブルー』人気を支える“3つの波”~緊急救命物語・山ピーやガッキーらの人間ドラマ・医療問題~)で詳しく説明したが、シーズン1や2のような本格的医療ドラマだけで攻めず、人間物語や社会派メッセージを込めるようになったシーズン3。多少の否定論が出たが、ハマった人が依然たくさんいるし、奥行きが出て高い満足度、強い次回見たい意向につながっていることを考慮すると、シーズン3の方針変更はマイナスよりプラスが大きかったと見るべきだろう。

それにつけても、9話ラストで土砂崩落に巻き込まれたと思われる藍沢耕作(山下智久)がどうなったのか。そして白石恵(新垣結衣)との距離に変更はあるのか否か。さらにシーズン1からの5人と、シーズン3で加わった4人のシーズン3最後ではどう句読点を打つのか。またラストのメッセージとして、どんなニュアンスが加わるのか。

制作陣の最後の奮闘を楽しみにしたい。