キムタク・ドラマ ネット配信解禁!~『MR.BRAIN』『南極大陸』から“次”へ~

GYAOサイトから

長年インターネットで配信されなかった木村拓哉主演のTVドラマ。

本日正午から、『MR.BRAIN』(2009年)と『南極大陸』(2011年)の2シリーズが、初めてネット配信され始めた。

GYAOTVerTBSホームページの3サイトで見られるようになっている。

キムタク主演の連続ドラマと言えば、錚々たるラインナップだ。

最初が『ロングバケーション』(1996年・平均視聴率29.6%・最終回の瞬間視聴率43.8%)。

山口智子とダブル主演。「月曜日はOLが街から消える」と言われたほどの人気となった。しかもドラマの影響で、ピアノを習い始める男性が増えるなど「ロンバケ現象」なる社会現象も起きた。このドラマをきっかけに、キムタクは国民的人気を得ていった。

2作目以降は以下の通り。

『ギフト』(1997年フジテレビ・18.2%)・・連続ドラマ単独初主演。

『ラブジェネレーション』(1997年フジテレビ・30.8%)・・「この恋のために生まれてきた」がキャッチコピー。松たか子とダブル主演。

『眠れる森』(1998年フジテレビ・25.2%)・・「記憶だけは殺せない」が宣伝コピー。中山美穂とダブル主演。

『ビューティフルライフ~ふたりでいた日々~』(2000年TBS・32.3%)・・常盤貴子とダブル主演。劇中で使われた車の売上が、放送後に2倍となり話題となった。

『HERO』(第1期・2001年フジテレビ・34.3%)・・ヒロインは松たか子。キムタク主演の最高視聴率ドラマ。

『空から降る一億の星』(2002年フジテレビ・22.6%)・・さんまと初共演で話題。ヒロインは深津絵里。

『GOOD LUCK!!』(2003年TBS・30.6%)・・ヒロインは航空整備士役の柴咲コウ。撮影に全面協力したANAの株価が上昇し、航空整備士を志願する女性も急増した。

『プライド』(2004年フジテレビ・25.2%)・・キムタク初のスポ根ラブストーリー。ヒロインは竹内結子。

『エンジン』(2005年フジテレビ・22.6%)・・全面協力したトヨタのロゴが劇中に大きく露出され話題。ヒロインは小雪。

『華麗なる一族』(2007年TBS・24.4%)・・TBSの開局55周年記念番組。最終回の視聴率が、系列各局で開局以来の新記録続出となった。

『CHANGE』(2008年フジテレビ・22.1%)・・「日本を変えるのは、あなたかも知れない」がキャッチコピー。ヒロインは深津絵里。

『MR.BRAIN』(2009年TBS・20.5%)・・キムタクが脳科学者に挑戦した本格ミステリー。綾瀬はるかがヒロイン。

『月の恋人~MOON LOVER~』(2010年フジテレビ・16.8%)・・ヒロインは篠原涼子。“台湾一有名なモデル”リンチーリンが共演。

『南極大陸』(2011年TBS・18.0%)・・TBS開局60周年記念番組。柴田恭兵・香川照之・堺雅人・緒方直人・綾瀬はるか・仲間由紀恵・木村多江・芦田愛菜などが出演。

『PRICELE$S~あるわけねぇだろ、んなもん!~』(2012年フジテレビ・17.7%)・・「笑うが、価値。だろ。」がキャッチコピー。ヒロインは香里奈。

『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(2013年TBS・12.8%)・・柴咲コウがヒロイン。放送後に発売されたBD・DVDの初動売上が1億円を突破。

『HERO』(第2期・2014年フジテレビ・21.3%)・・2010年代で唯一20%突破。

『アイ’ム ホーム』(2015年テレビ朝日・14.8%)・・テレビ朝日の連続ドラマ初主演。上戸彩と初共演。

以上が木村拓哉主演ドラマ全19作である。振り返ってみると、『HERO』(第1期・2001年)をピークに徐々に視聴率が下がっているように見える。しかし実際には、テレビ番組全体の視聴率が徐々に下がり、特に録画再生が目立ち始めた2000年代半ば以降、ドラマ自体の視聴率下落が顕著となっていた。そうした流れの中にあり、2010年代でも6本中4本が15%超という実績は驚異的と言える。主演全作品の平均視聴率を足しあげると410%を超える。現役の俳優としては最高記録となる。

では何故いま、キムタク主演ドラマのネット配信なのか。

関係者の多くは口を閉ざしたままなので、正確な情報はとれていない。筆者が得ている情報によれば、もともとネットとテレビの関係が変わる中、ジャニーズ事務所の考え方も変化していたとのこと。むしろ1年ほど前から起こっていたSMAP解散騒動で、実施のタイミングが難しくなっていたのが真相のようだ。

SMAPが正式に解散したことで、新たな船出を成功裏に遂げるべく、やれることは前向きにやって行く方向になった。今月15日から始まるTBS日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』の番宣効果を重視した措置のようだ。

いずれにしても、実際にキムタク主演ドラマがネットで見られるのは、歴史的1歩と言えよう。

ところで配信される2作だが、いずれも個性的なドラマだ。

2009年の『MR.BRAIN』は、不慮の事故で右脳が発達してしまった元ホストの脳科学者・九十九龍介に、キムタクが挑戦したドラマ。類まれな才能と独特の脳科学的アプローチで難事件を解決する本格ミステリー。九十九が脳科学の説明をする時に、登場人物がアニメーションでデフォルメされる手法が話題となった。

ドラマは第一次「脳トレ」ブームの後に制作されており、ドラマ放送後には、第二次ブームが起こっている。新しい視点を取り込んだドラマとして、興味深い作品に仕上がっている。

TBS開局60周年記念番組として制作された『南極大陸』(2011年)は、タロジロで有名な「南極越冬隊」の物語。当初は仮題として、「神の領域に挑んだ男と犬の物語」という副題がつけられていた。

物語の概要は以下の通り。

昭和30年代、敗戦からの復興を進める日本は、戦勝国を中心とした国際地球観測年による南極観測への参加を表明。ところが、他の参加国からは敗戦国であることを理由に見下されてしまう。しかも日本に割り当てられた観測場所は「inaccessible(接岸不可能)」と言われたプリンス・ハラルド海岸。最初から日本は、全く期待されていなかったのである。その中で、日本隊は日本が世界と肩を並べる時が来たとして、南極観測のために尽力する。

ドラマのキャッチコピーは、「その夢には、日本を変える力がある」。2000年代前半に一世を風靡したNHK『プロジェクトX』のドラマ版のような存在で、多くの視聴者の感動を呼んだ物語である。

以上2作品がGYAOTVerTBSホームページの3サイトで見られる。

テレビとネットの関係が、いよいよ次のステージに入る第一歩のような取り組みである。時代を感ずると共に、SMAPの新たな旅立ちを見届けるためにも、一度見ておいた方が良さそうだ。