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【四国地方】太平洋側を中心に27日(木)にかけて土砂災害などに注意・警戒を

鈴木悠気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
雨雲の様子(ウェザーマップ提供)

四国地方は、非常に強い台風8号に向かう南からの暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、太平洋側では雨足が強まっている所があります。27日(木)にかけて、太平洋側を中心に同じような所に雨雲がかかり続けて大雨になるおそれがあります。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫などに注意・警戒が必要です。

離れていても影響が続く台風8号

26日(水)午前9時現在、非常に強い勢力になるまで発達した台風8号は、東シナ海・チェジュ島付近を1時間に15kmの速さで北北西に進んでいると見られます。今後、非常に強い勢力を維持したまま北上し、中国大陸方面に進む見通しです。

台風8号の進路予想図(ウェザーマップ提供)
台風8号の進路予想図(ウェザーマップ提供)

一見すると、台風8号は四国地方からは遠ざかり影響がないように見えますが、台風に向かって南からは暖かく湿った空気が流れ込んでいます。四国地方はこの空気の通り道になっているため、湿った空気がぶつかりやすい太平洋側を中心に雨足が強まっています。

雨雲の様子(ウェザーマップ提供)
雨雲の様子(ウェザーマップ提供)

愛媛県愛南町(あいなんちょう)では、午前10時4分までの1時間に34.5ミリの激しい雨を観測しています。四国地方は27日(木)にかけて、台風に向かう暖かく湿った空気の流れ込みが続きそうです。しかも風向きが大きく変わらないため、同じような所で雨雲がかかり続けるおそれがあります。

雨雲の予想1(ウェザーマップ提供)
雨雲の予想1(ウェザーマップ提供)
雨雲の予想2(ウェザーマップ提供)
雨雲の予想2(ウェザーマップ提供)
雨雲の予想3(ウェザーマップ提供)
雨雲の予想3(ウェザーマップ提供)
雨雲の予想4(ウェザーマップ提供)
雨雲の予想4(ウェザーマップ提供)

太平洋側では、27日(木)にかけて予想される1時間降水量は多い所で50ミリの非常に激しい雨が降る可能性があります。また、28日(金)午前6時までの48時間に予想される降水量は、多い所で220~320ミリに達する可能性もあります。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に注意・警戒をしてください。

来週は再び台風発生か?

また、台風8号の影響が過ぎ去っても、来週には再びあやしい雨雲の塊が予想されています。

雨雲の予想5(ウェザーマップ提供)
雨雲の予想5(ウェザーマップ提供)

まだ台風まで発達するかは不明確ですが、現在の予想では雨雲が発達しながら九州の西側を回り、日本海付近を北上するおそれがあります。そうなると、四国地方に直撃しなくても、今度は太平洋側だけではなく瀬戸内側でも高潮などの影響が出る可能性があります。

まだ不確実性は高いですから、今後も最新の情報には注意した方がよさそうです。

【参考】

高松地方気象台 大雨に関する四国地方気象情報 第4号

気象庁ホームページ

気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

1988年東京都出身。中学生のときに空を見上げ「なんで空は青いのだろう」と疑問に思ったことをきっかけに、天気に興味を持つ。大学4年次に気象予報士試験に合格。大学院まで気候学研究を実施。親しみやすく、時には災害から命を守る気象予報士になるべく活動中。

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