断捨離視点で「備蓄」を考える 

自分に必要なモノは?

 今年の夏は大きな自然災害が重なりました。

 被害のなかった地域の方も、改めて避難経路の確認や非常時の備えの点検をした方も多いのではないでしょうか。

 今日は断捨離の視点から「防災」「防災のための備蓄」を考えます。

◆「ためこみ」と「備蓄」はちがう

 先日友人と災害時の話をしていて「断捨離アンは買い置きはしないんでしょ?だって押し入れや収納はとにかくモノを減らしてスッキリさせるのがいいんだものね?」とたずねられました。

 答えはこの言葉の【買い置き】の定義によります。

「安売りしていたから」「腐るものじゃないし」などの理由で必要以上に【買いだめ】をすることであれば、それは断捨離が忌み嫌う「ためこみ」です。そうでなく、適量のストック、あるいは非常時のための備えである【備蓄】であれば、断捨離アンも買い置きは必要と考えます。

◆「減らせばいい」というものではない

 とかく断捨離は「モノを減らす」「捨てる」ことだと誤解されがち。

 実は、筆者も断捨離を始めたばかりの頃、部屋がスッキリしていくことが気持ち良くて、買い置きしていた飲料水を使ったまま補充せず、ギリギリまで減らしたことがありました。するとキッチンに段ボール2つ分のスペースができ「断捨離成功」とばかり悦に入ります。

 ところがその後全国各地で度々大きな地震が起こり、断水や流通が麻痺しているなどのニュースが耳に入ってきました。たまたま自分の住む地域は断水などありませんでしたが、買い置きの水が無いことが大きな「不安」になりました。

 「少なすぎる。これは適切な量ではない」と思い至り、その後は余裕を持って注文し、1ケースずつ届けてもらうことにしました。

 筆者も当初は「減らせばいい」という大きな間違いをしていたのです。

 

 「断捨離」は必要なモノを適量持つことで、快適になること。

 災害が頻発する現在のわが国で、「いざという時の備え」としてのモノは、けして「不必要なモノのためこみ」ではなく、安心のための「必要なモノの備蓄」なのです。

◆「日常備蓄」は断捨離でいう「入れ替え・代謝」

 被災者は自宅が倒壊していない限り当面自宅にとどまって生活をする場合が多くなります。ひとたび災害が起これば電気ガス水道などのライフラインと合わせ物流も滞ることが予想されますので、日頃から自宅で使うものを備え、日常使うものを少し余分にストックをしておく「日常備蓄」が薦められています。

 災害時にだけ必要な特別なモノを維持管理することは、結局無駄になることも多く、断捨離的にもあまり好ましいかたちではありません。

 そうではなく、いざ災害時に流通がとまっても困らない程度に日常的に使う使い慣れたモノを備蓄し、普通に消費しながら、適宜補充する。これは、断捨離の「入れ替え・代謝」をスムーズにし、常に新鮮さを取り込むという考えにもかなっています。

 非常時に食べなれたものがあるのは体調管理の面でとても大切なこと。緊急時であればなおさら、好きなモノや必要なモノが不足なくあることも精神の安定に重要な要素となります。

 

◆「自分軸」で備蓄しよう

 各個人で必要なモノや、安心できる備蓄量もまちまちです。

 東京都ホームページの「東京防災」の備蓄リストなど、行政や報道などからアナウンスされる「災害時に必要な物リスト」を参考にして、「いざという時(非常時)に自分には何が必要不可欠なのか」をシミュレーションして備えておくことが大切です。

 日々の生活の中で「これが無くなったら困る」というものは、少しだけ多めに買い足すなど、今日から、今から、災害に備えた備蓄を心がけましょう。

◆発災直後の混乱を避けるためにも備蓄は有効

 先日の北海道胆振東部地震では揺れが大きくなかった地域も含め北海道全域に大規模な停電がおこりました。

 発災直後の様子を産経新聞が報じています。

【北海道震度7地震】史上初のブラックアウト そのとき住民は… 役立つSNS、ご近所で助け合い (産経ニュース 2018.9.17)

 コンビニやスーパー・薬局から商品は消え、数少ない残された商品を手に入れるために数時間の行列を待たなければいけなかったという話もあります。備蓄があれば回避できた場合もあったかもしれません。

 難しいかもしれませんが、考えられる可能な範囲でも備えておくことは、いざという時に自分が困らないためばかりでなく、同じ被災者や復旧復興にあたる人たちの負担を軽くし、余裕があれば援助する側に回ったりという貢献が可能になる場合もあります。

 秋になり、これからまだまだ台風シーズンは続きます。地震は日本全国どこで大きな揺れがあってもおかしくないといわれてます。この連休はもう一度、災害への備えを見直してみてはいかがでしょうか。 

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 ※尚、今回この記事を作成する際に主に参考にした東京都発行の防災ブック「東京防災」と「東京くらし防災」は、東京都のホームページから誰でも閲覧することができます。また、電子書籍で無料で配信されているので、スマホなど端末にダウンロードしておけば非常時にもインターネットにアクセスせずに読むことができます。

 災害時の避難行動や日頃の備えについて、わかりやすく簡潔にまとめられていますので是非参考にしてください。