『実家の断捨離』(4)~親はなぜ物をためこむ? 役立つ自分の断捨離経験~

実家の押入れはみちみちぎゅうぎゅう…

 千葉県在住54歳の女性の『実家の断捨離』の最終回です。

時期:2010年

期間:作業延べ日数一週間ほど

実家:自宅から車で片道30分 マンション5階 3LDK 

住人:両親

きっかけ:母の介護用ベッドのスペースをあけるために「断捨離を手伝ってほしい」と頼まれる

◆実家の断捨離、その後

 タンスを3竿処分して介護ベッドを設置した後、体力が落ちた両親の負担を減らすために、台所とリビングをメインに実家全体の断捨離&大掃除を少しずつ進めたそうです。

 「そして二年後に母を見送りました。今、実家は父が一人で住んでいます。ずいぶん足が悪くなって日々の生活も不自由になり、危険なので火も使わないようにしたので台所はもう不要な物だらけ。また時間を見つけて断捨離しなくてはと思ってるところです」

 また、将来的にはお父様との同居も視野に入れているそうです。

 「そうなると断捨離の基準も変わってきますね。自分の家も、父と住むことになったらさらに大幅な断捨離が必要だわ」

 お話を伺って、この方は自身の断捨離を日常的に続けているからこそ、実家の断捨離をスムーズに進めてこれたのだと感じました。 

◆実家の前にまずは自分の断捨離を

 親の片付けを手伝うにしても、遺品を処分するにしても、『実家の断捨離』の前にまず、自分の断捨離をお勧めします。

 自分の身の回りの物と向き合い『モノへの片のつけ方』をある程度経験済みであれば、それはすべて後に生かすことができます。粗大ごみの出し方、不要な家電の処理の仕方など一つ一つの細かい物理的な積み重ねはもちろん、日常的な断捨離は「その時にその物が必要かどうかの判断力」も養われますので、スムーズな実家の断捨離につながるのです。

 まだ必要に迫られていない段階で『実家の物もいつかは私が片づけなきゃいけない』と思い悩むのも「まだ来ていない未来」に時間軸がぶれている証拠。

 断捨離のセオリーの一つ「時間軸は今」。

 もしあなたが、未来を思い悩んでいるのであれば、今、目の前の自分の断捨離をやってみましょう。

※「時間軸は今」についての拙記事【もったいない】の意味をもう一度考える ~その一~

◆ 親はなぜモノをとっておくのか

 さて、親世代はなぜ物をたくさんため込む傾向があるのでしょうか。『実家の断捨離』シリーズの(1)でも少し触れましたが、親世代は物がない時代に生まれ育ち、物があることに豊かさを感じる傾向が強いようで、捨てることは粗末にすることであり、人によっては物を捨てるイメージの強い断捨離はとんでもない悪行だったりするようです。

 また、今回のインタビューで興味深いお話を伺えました。

 彼女は息子さんが成人し二年前から一人暮らしを始めています。今度は自分の家が息子さんにとっての実家となるわけです。

「部屋が一つ空いてスッキリするかと思ってたけれど、荷物が結構残っています。でも、全部持って出られてしまうのもさみしいし、まあ、いいかなあって(笑)」

 息子さんを送り出して最近気づいたことがあると教えてくれました。

 「子供って【実家には何でもある】って思ってるんです。そして親は子供に『〇〇ある?』って聞かれた時に「はいよ」って出してあげたいんです。 何不自由なく与えてあげたい 。だから、親が物をためこんじゃう気持ちがわかった気がします 」

 「あなたが嫁に行くときに持たせようと思ってとっておいたのよ」と押入れの中からたくさんの鍋や食器や新品のタオルが眠っていた……断捨離の体験談でよく聞かれる事例です。これもまた親が子に何不自由なく与えたいと思っている表れなのでしょう。

画像

 実家にある沢山の物は、実は親の物でありながら同時に自分のモノでもある。そんな可能性も子世代の我々は考えてみる必要がありそうです。自分が置きっぱなしにしている訳でもなく、買ってあげたものでなくても、自分の影響で、あるいは自分のためにと親が持っているモノである可能性。実はけっこう高いのかもしれません。

 そんなことも頭に入れながら、親とコミュニケーションをとることから『実家の断捨離』を始めてみてはいかがでしょうか。