『実家の断捨離』(3)~積極的に周囲の力を借りましょう~

自分だけで抱え込まないで

 前回は千葉県在住54歳の女性が『実家の断捨離』で家族の絆を再確認したり、親の「思いの消化」を手伝うことで得た心の浄化作用を紹介しました。

 実家の断捨離(2)  ~必要だった母親との貴重な時間~

 今回はその女性のエピソードから『実家の断捨離の課題や諸問題』をあげてみます。

時期:2010年

期間:作業延べ日数一週間ほど

実家:自宅から車で片道30分 マンション5階 3LDK 

住人:両親

きっかけ:母の介護用ベッドのスペースをあけるために「断捨離を手伝ってほしい」と頼まれる

 『実家の断捨離』は時間も労力も大掛かりになることが多く、とても重労働です。

◆人手確保、時間の捻出が課題か

 「この時の実家の断捨離は延べ日数で一週間ほどでした。仕事も休むことができ、時間も比較的自由にとれる状況だったために集中して手伝うことができました。でも、忙しい時だったらできなかったかもしれません。県外在住で会社勤めの兄は全く関知できずでしたし…」

 実家の断捨離の子世代はちょうど働き盛りで子育てに忙しい場合も多いです。断捨離にかかる人手が確保できるか、長い人生の中で様々なタイミングが合うかどうかもスムーズな実家の断捨離のポイントになりそうです。

◆粗大ごみの運搬一つとっても

 「タンスを3竿処分する必要に迫られていましたが、実家のある市の粗大ごみの収集をネットで調べると申し込みから引き取りまで数週間かかることがわかり、スケジュールも合いませんでした。もしその日に自分の予定がたっても、年老いた両親と自分だけではゴミ捨て場にタンスを運ぶこともできない。なのでこの時は業者に依頼しました。5万円ほどの出費になりましたが、それでもとても助かりました」

◆不用品処分時の参考に

 現在、粗大ごみの収集は、(家電リサイクル法による4品目およびパソコンなどを除き)各自治体の環境局・清掃局などで、申し込み制の有料で回収されています。高齢単身世帯や障碍者世帯には、屋内から回収場所まで移動してくれる場合もあります。町内会やマンションの管理組合などでゴミ出しの手伝いをしているところもあり、またこれらに補助を出す「ゴミ出し支援事業」を行っている自治体もあります。不用品の処分に困ったらまずは自治体に問い合わせてみましょう。

 また、この方のように専門の業者の手を借りることも、限られた時間と労力で実家の断捨離を進めるための有益な方法の一つです。

◆高額な不用品回収、業者利用に注意

 ただし、業者利用は注意も必要です。東京都消費生活総合センターホームページでは高額な不用品回収業についての注意喚起がされています。[註1](2016年)

 チラシなどで「家庭で不用になった家具などの粗大ごみを処分する」などと言って、高額な処理費用を請求したり、無料で引き取るといいながら処理費用を請求する業者の報告が多数あります。被害に遭わないためにも、粗大ごみは適正な処理やリサイクルがされるよう、まずは居住地域の自治体に問い合わせましょう。

◆すべて自分や家族だけでやろうとする必要はない

 自分一人で抱え込まずに周囲に協力してもらうことは『実家の断捨離』をするうえでとても重要なポイントです。実際に取りかかってみればとうてい一人でできることではないとすぐに思い至ります。家族はもちろん、行政や業者の力を借りる、地域の住民、友人、勤め先など、周囲の手助けや受けられるサービスは積極的に利用し、理解を求めていきましょう。

 また同時に逆の立場になって、実家の断捨離を進めようとしている人を理解して協力することも大切です。

 高齢化が進む我が国です、いつでも「お互い様」の気持ちを思い出したいものです。

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[註1]東京くらしWEB

過去に『不用品回収』についてたくさんの事例が報告されています

◆一般の家庭から出る粗大ごみや不用品の収集・運搬を自ら業として行うには、「一般廃棄物処理業」の区市町村許可が必要で、無許可営業の場合は罰則があります。「正規登録業者」等と表示していても、実際は産業廃棄物処理業の許可しか持っていない場合等があるので注意が必要です。不用品を処分するときは、居住する区市町村が案内するルールにしたがって処分しましょう。業者に依頼する時も「一般廃棄物処理業」の許可を得ている事業者かどうかを区市町村で確認すれば安心です。