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【パリ】160周年を迎えるラデュレの新作テーマは「ミモザ」

鈴木春恵パリ在住ジャーナリスト
「ラデュレ」の新作「ミモザ」シリーズ。(写真/ラデュレ)

1862年、パリ・ロワイヤル通りのパン屋さんとしてスタートした「Ladurée(ラデュレ)」。マカロンというお菓子を現在のように広めたのは、このブランドの功績と言ってよいのではないでしょうか?

季節ごとに発表されるフレーバー、いかにもパリの美意識をぎゅっと凝縮したようなパッケージ。食べて美味しいお菓子というだけでなく、見た目の美しさ、ファッション性を合わせもつ「ラデュレ」のマカロンは、ほとんど日常のアート。シーズンごとに発表されるフレーバーとパッケージは、パリに新しい季節を告げる風物詩と言えるかもしれません。

2月16日、パリ7区にて新しいシリーズの発表がありましたので、その様子をいち早くお届けしたいと思います。

テーマは「ミモザ」。

パリのインテリアブランド「CASA LOPEZ(カーサ・ロペス)」とのコラボレーションです。

「カーサ・ロペス」は、1983年創業のブランドで、絨毯、インテリアファブリック、食器などの分野で、やはりフランスの「アール・ド・ヴィーヴル(用の美、暮らしのアート)」を体現するようなコレクションを発表しています。

「カーサ・ロペス」のテーブルクロスとお皿の上に盛られたマカロン。マカロンの左側にあるのが、「ミモザ」の香りのロウソク。(以下、写真は筆者撮影)
「カーサ・ロペス」のテーブルクロスとお皿の上に盛られたマカロン。マカロンの左側にあるのが、「ミモザ」の香りのロウソク。(以下、写真は筆者撮影)

年が明ける頃から、パリの花屋さんではミモザの花が見られるようになります。光を放つような鮮やかな黄色、甘酸っぱい香りが辺り一面を黄色く染めてしまうような存在感抜群の花は、グレートーンのパリの冬に一縷の希望を感じさせてくれるようで、私も個人的に好きな花です。

この時期、パリのマルシェでもミモザの花束を買う人の姿を多く見かける。
この時期、パリのマルシェでもミモザの花束を買う人の姿を多く見かける。

この花の名産地の一つが南フランスで、「ミモザ」が名前に入っている町もあったりするくらいです。パリの花屋さんやマルシェに並ぶのは、主にこの地方から届くもの。ということはつまり、パリにいち早く南の太陽を運んできてくれる花なのです。

さて、新シリーズのお披露目会は、「カーサ・ロペス」のオーナー、Pierre Sauvage(ピエール・ソヴァージュ)氏のアパルトマンで行われました。ドアを開けるなり、ミモザの香りがフワーっと鼻をくすぐります。それは、たわわに飾られたミモザの花だけでなく、新シリーズの香りのロウソクからの効果でもあります。

ピエール・ソヴァージュ氏(左)と、「ラデュレ」創業ファミリーのDavid Holder(ダヴィッド・オルデール)氏(右)。
ピエール・ソヴァージュ氏(左)と、「ラデュレ」創業ファミリーのDavid Holder(ダヴィッド・オルデール)氏(右)。

新作のマカロンの方は、予想していたよりも繊細な風味。ほんのりとミモザが香る、といった感じで、香りの強いお菓子が苦手という方でも抵抗なくいただけそうです。

それにしても、いつものことながら箱のデザインの素敵なこと。ミモザがよく映えるグリーンの基調色がなんとも微妙なニュアンスカラー。さらに箱の内側がまた可愛らしくて、マカロンを食べ終わった後も、箱を大事にとっておきたいような気分にさせます。

というより、すでに「ラデュレ」の箱をコレクションしているという方は少なくないはず。今回の「ミモザ」もきっと気に入られることでしょう。

「ミモザ」シリーズは、世界12カ国(フランス、日本、スイス、英国、アメリカ、カナダ、ルクセンブルク、アゼルバイジャン、アイルランド、アラブ首長国連邦、クウェート、エジプト)で、2月16日から3月20日まで店頭を彩る予定だそうです。

手前はマカロン8個入の箱。奥はロウソクの箱。
手前はマカロン8個入の箱。奥はロウソクの箱。

パリ在住ジャーナリスト

出版社できもの雑誌の編集にたずさわったのち、1998年渡仏。パリを基点に、フランスをはじめヨーロッパの風土、文化、暮らしをテーマに取材し、雑誌、インターネットメディアのほか、Youtubeチャンネル ( Paris Promenade)でも紹介している。

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