カップメンが1万円! あの「カルティエ」が“高級コンビニ”をオープン 店内を写真レポート

カルティエのコンビニ「カルチエ」の外観。

高級ウォッチ&ジュエリーブランド「カルティエ(Cartier)」が構想から1年かけた“高級コンビニ”を表参道に出店した。

なぜ「カルティエ」がコンビニを出店するのか?

この素朴な疑問は取材していく中で、「カルティエ」の計算されたブランディングやストーリーに気付かされていった。この答えを解き明かす前に、まず「一体どんな店舗なのか?」を写真中心にレポートしていく。

表参道から一本入った住宅街に一際際立つゴールドとホワイトを基調とした外観。コンビニの名前は「カルチエ」。
表参道から一本入った住宅街に一際際立つゴールドとホワイトを基調とした外観。コンビニの名前は「カルチエ」。
中に入ると、普通のコンビニと変わらず、レジや雑誌コーナー、コピー機などがあり、実際に商品の購入ができる。
中に入ると、普通のコンビニと変わらず、レジや雑誌コーナー、コピー機などがあり、実際に商品の購入ができる。
日用品やフード&ドリンクコーナーもあり、充実したラインアップであることがうかがえる。
日用品やフード&ドリンクコーナーもあり、充実したラインアップであることがうかがえる。
ここでしか入手できない、有名シェフとのコラボ商品も豊富だ。
ここでしか入手できない、有名シェフとのコラボ商品も豊富だ。
オシャレなデザインや機能性に優れた日用品コーナー。
オシャレなデザインや機能性に優れた日用品コーナー。

全てが特別仕様のコンビニ

内観写真を見るとわかる通り、書体や照明などによってオシャレに見えるが、コンビニにある要素はいつもと同じ。だが、一つひとつがいつもと違う特別仕様になっている。まずは筆者が「おっ!」と思った要素を紹介。

店内に入って、真っ先に驚いたのがカゴ。見ての通り、買い物への高揚感を与えるゴールド仕様だ。
店内に入って、真っ先に驚いたのがカゴ。見ての通り、買い物への高揚感を与えるゴールド仕様だ。
コンビニ定員は黒一色のシックな装いで統一。親しみがもてるよう「カルチエ」の刺繍文字やバッジを付けて抜け感を出している。
コンビニ定員は黒一色のシックな装いで統一。親しみがもてるよう「カルチエ」の刺繍文字やバッジを付けて抜け感を出している。
バックヤードをイメージした空間。森美術館で61万人を動員した、あのレアンドロ・エルリッヒがこの為に特別に制作したオブジェ。
バックヤードをイメージした空間。森美術館で61万人を動員した、あのレアンドロ・エルリッヒがこの為に特別に制作したオブジェ。
コンビニなのでトイレも使用できる。そこには、さりげなく「カルティエ」のキャンドルが置かれている。
コンビニなのでトイレも使用できる。そこには、さりげなく「カルティエ」のキャンドルが置かれている。

信じられない!? 高価な商品がお得な理由

このコンビニは様々なシェフやブランドとコラボしている。全部紹介するとキリがないほど充実しているため、ここでは商品を見ている中で度肝を抜かれた物を紹介。

カップラーメン、1万800円(一個当たり)。
カップラーメン、1万800円(一個当たり)。
マンゴーケーキ、1万800円(一個当たり)。1日20個限定。
マンゴーケーキ、1万800円(一個当たり)。1日20個限定。

「カップラーメン、マンゴーケーキが一個で1万円!?」と文字だけ見ると驚くが、美食家によると「2つともお得」だと言う。

まずはカップラーメン。「一体、どんな具が入っているのか?」と思っていたが、中を開けると会員制レストラン「サンミ」のディナーを特別予約・利用できるチケットが入っている。

開封すると、予約方法が記載されているカードが入っている。
開封すると、予約方法が記載されているカードが入っている。

「サンミ」は会員費として12万円(年間)を支払った上で、その都度1万2500円のコース料理を注文しないと利用できない高級レストラン。その「サンミ」がオリジナル麺+2品のディナーコースを提供する内容になっている。そのため、「普段は会員がいないと入れない&予約ができないがここで購入すればお得に利用できるから記念日や誕生日が期間内(2018年10月1日~12月27日)であれば、ミシュラン三ツ星レベルのシェフの料理を食べられると思えばお得と言える」。

シリアルナンバーが記載された「マンゴーケーキ」のオリジナルボックス。
シリアルナンバーが記載された「マンゴーケーキ」のオリジナルボックス。

続いてマンゴーケーキ。「手のひらサイズの一切れは一体どんな価値が?」と思っていたが、こちらは1日1組限定のフレンチレストラン「エテ(ete)」のスライスしたマンゴーをバラに見立てたスイーツ。「入手困難と言われるスイーツ。しかも通常はホール販売のみのところ、シリアルナンバー付きのオリジナルボックスに入っているので、庄司夏子シェフのファンならばお得と感じる」。

実際に買ってみた

今回は実際に欲しい物を色々なご褒美理由を言い聞かせて自腹で購入。
今回は実際に欲しい物を色々なご褒美理由を言い聞かせて自腹で購入。
電子マネーは使えないが、現金とクレジットカードは使用できる。
電子マネーは使えないが、現金とクレジットカードは使用できる。
一点一点、商品のバーコード表から読み込んでいく。
一点一点、商品のバーコード表から読み込んでいく。
10点で計4万3884円!コンビニでの人生最高額を記録。
10点で計4万3884円!コンビニでの人生最高額を記録。
商品はオリジナルのコンビニ袋に入れてもらえる。
商品はオリジナルのコンビニ袋に入れてもらえる。

「コンビニ」ができた理由

なぜ、「カルティエ」はコンビニを出店したのか?

それは、このコンビニは“ジュスト アン クル(JUSTE UN CLOU)”のキャンペーンの一環だからだ。“ジュスト アン クル”は物を見ればひと目でわかるように、“一本の釘”をジュエリーへと昇華させたコレクション。

“ジュスト アン クル”はリング(13万2300円~)とブレスレット(35万6400円~)からなるジュエリーコレクション。ユニセックスで身につけられるシンプルなデザインが特徴。
“ジュスト アン クル”はリング(13万2300円~)とブレスレット(35万6400円~)からなるジュエリーコレクション。ユニセックスで身につけられるシンプルなデザインが特徴。

日常品から着想を得て高級品にすること自体はファッションやジュエリー業界においては決して珍しいデザイン・アプローチではない。「エルメス(HERMES)」は犬の首輪や安全ピン、「ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)」はファスナーといった日常品から影響を受けたジュエリーを発表している。

“ジュスト アン クル”は見た目の特徴もさることながら、時代背景が面白い。デザインが誕生したのは遡ること1971年。この年は、ちょうどジョン・レノンがNYに拠点を移して『イマジン』 を発表したり、ベトナム戦争などの影響で「ラブ&ピース」を謳歌したヒッピー時代に相当する。“ジュスト アン クル”はそういったNYの陽気で自由な時代から影響を受けて誕生した“理由”がある。以来、「カルティエ」の“顔”とも言えるジュエリーコレクションの一つとして親しまれてきた。

それから月日が経ち、今年9月1日から“ジュスト アン クル”が従来よりもスリムなデザインになってリニューアルした。そのため、キャンペーンを実施する上で当時の万人にとって日常品だった「釘」から着想を得たデザイナーのアルド・チプロに敬意を表して、現代にとって日常的存在である「コンビニ」に着目した。また、銀座店を筆頭に入店することさえ敷居の高さがある「カルティエ」。ブランドに親しみをもってもらいたいという狙いも原宿と表参道の間に位置する場所にコンビニを構えたことからも垣間見える。

本記事では、ここまでわかりやすく“高級コンビニ”と書いたが、「カルティエ」はこのコンビニを“プレシャス”と謳っている。それは、ジュエリー同様に「日常が特別なものに変わる時」という思いが込められているからだ。

コンビニの2階はイートインをイメージした、商品をタッチ&トライできるコーナー。
コンビニの2階はイートインをイメージした、商品をタッチ&トライできるコーナー。

このコンビニは残念ながら、約1週間(9月30日)で閉店してしまう期間限定店。だが期間中は誰でも無料で入店できるため、いつものとはひと味もふた味も違う「カルチエ」を体感してみては?

◆概要

期間:2018年9月21日(金)~30日(日)

時間:12:00~20:00

住所:東京都渋谷区神宮前5-16-13

URL:http://justeunclou.tokyo/

写真:筆者撮影