前田大然が備えるスピードより効果的な武器

(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 日本代表のセンターフォワード(CF)と言われて真っ先に想起するのは大迫勇也だ。この選手がいないと日本代表は始まらない。最も必要とされている選手かもしれない。しかし、所属クラブ(ベルダー・ブレーメン)での評価はそれほどでもない。なにより出場機会に恵まれていない。今季トータルで676分。今年に入って先発したのもわずか2試合だ。後半14分まで出場した先日のドルトムント戦(4月18日の)が、一番長い出場機会になる。

 現在14位(全18チーム中)。入れ替え戦(プレイオフ・16位)のラインが、勝ち点1差に迫る低調なチームにあって、である。鎌田大地(フランクフルト・現在4位)、遠藤航(シュツットガルト・現在10位)の方が、高評価を得ている格好だ。

 日本代表のキャップ数は現在48。この数にもギャップを感じる。現在の年齢(30歳)と日本国内での評価を考えれば、100回超えとは言わなくても、70〜80回あって不思議はない。

 大迫と対極に位置するのは岡崎慎司だ。代表キャップ119回は大迫の倍以上。今季の出場時間(1118分)でも同様に、大迫を大きく上回る。所属クラブ(ウエスカ)の現在の成績は現在19位(全20チーム中)。残留ライン(17位以内)まで3ポイント遅れの降格圏内にいる。こちらは似たり寄ったりだが、国内リーグ優勝、CL本大会出場など、欧州での総合的実績では岡崎に軍配が挙がる。

 年齢差は4。両者が揃って日本代表に選出されたのは、W杯で言えば2014年ブラジル大会と2018年ロシア大会である。大雑把に言えば、大迫がポストプレーヤーで、岡崎は点で合わせるタイプになる。スピード抜群というわけではないが、相手の背後を突く動き出しのよさにも定評がある。

 それ以上に多機能的だった。ブラジル大会では左右のウイング(4-2-3-1の3両サイド)としてもプレーした。レスター時代には1トップ下でもプレーしている。右、左、真ん中いずれもプレー可能で、不得手なエリアがない選手だった。たとえば、右サイドでボールを受けると、まったく芸を発揮できなくなった香川真司のようなことはなかった。息の長い選手としていまなお活躍している理由だ。

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たかがサッカーごときに、なぜ世界の人々は夢中になるのか。ある意味で余計なことに、一生懸命になれるのか。馬鹿になれるのか。たかがとされどのバランスを取りながら、スポーツとしてのサッカーの魅力に、忠実に迫っていくつもりです。世の中であまりいわれていないことを、出来るだけ原稿化していこうと思っています。刺激を求めたい方、現状に満足していない方にとりわけにお勧めです。

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スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、2018年ロシア大会で連続10回現地取材となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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