5バックになりやすい3バックが6割。Jリーグに蔓延する「後ろで守る」サッカーを憂う

(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 Jリーグの今季最大の特異性はJ2降格がないことだ。通常より、気分的に楽なシーズンを送ることができるはずだが、成績が悪ければクビになる監督に、そうした余裕はないのかもしれない。

「絶対に負けられない戦い」の呪縛にハマる監督が目立つ。失敗が許されにくい環境で育った日本人監督ならば、ある程度、納得できる。陥りがちな現象として半分諦めもつくが、わざわざ招聘した外国人監督の場合はそうはいかない。攻撃的サッカーを大きく掲げていたにもかかわらず、5バックになりやすい3バックに、何事もなかったようにシフトチェンジする姿を、簡単に受け入れることはできない。

 まず、横浜Fマリノスのアンジェ・ポステコグルー監督だ。4戦前のセレッソ大阪戦から、5バックになりやすい守備的な3バック(3-4-2-1)に変更。昨季の優勝監督は一転、攻撃的サッカーを事実上、断念したスタイルで戦っている。当初と話が違う方向に進んでいることは明らかだ。

 それは、昨季まで横浜FMでポステコグルーの下でコーチを務めていた清水エスパルス監督、ピーター・クラモフスキーについてもあてはまる。師弟関係にある両者は、示し合わせたかのように同じタイミングで変説した。

 クラモフスキーは4戦前、鹿島アントラーズに敗れ6連敗を喫すると、続く横浜FM戦では、布陣を4-2-3-1から5バックになりやすい3バック(3-3-2-2)に変更した。これまで一貫して攻撃的サッカーを標榜していた監督にとって、これは、穴があったら入りたい恥ずかしい話だ。しかし、その変説について突っ込みを入れる人は、ほとんどいない。

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たかがサッカーごときに、なぜ世界の人々は夢中になるのか。ある意味で余計なことに、一生懸命になれるのか。馬鹿になれるのか。たかがとされどのバランスを取りながら、スポーツとしてのサッカーの魅力に、忠実に迫っていくつもりです。世の中であまりいわれていないことを、出来るだけ原稿化していこうと思っています。刺激を求めたい方、現状に満足していない方にとりわけにお勧めです。

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スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、2018年ロシア大会で連続10回現地取材となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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