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首位を独走する川崎・鬼木監督は、交代枠使用率でも唯一「パーフェクト」を達成中

杉山茂樹スポーツライター
(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 2ヶ月前(7月17日)、5人増えたメンバー交代枠を最大限有効に活用しているJ1リーグ監督は誰かという原稿をこの欄で書いた。

 交代枠をフルに使う監督は、枠を余したまま試合を終える監督より、選手から信頼されやすい。チームの士気は高まりやすい。日程がタイトになればなるほど使える選手、選択肢となる駒を多く抱えるチームが有利になる。降格のない今季は、実験を試みやすいシーズンでもある。選手交代は、監督の采配を語る時、外せないテーマだーーと述べ、その時点(4節を終了時点)で交代枠を多く使っている監督、使っていない監督を順位化して紹介した。

 それから10数試合が経過。リーグ戦の折り返し地点が迫ってきたいま、改めてその視点を傾けてみたい。

 前回紹介した4節終了時点(再開後3試合消化した時点)で、5人の交代枠をすべて使い切る采配を続けていた監督は以下の4人だった。

 鬼木達監督(川崎)、ミハイル・ペトロビッチ(浦和)、浮嶋敏(湘南)、ザーゴ(鹿島)。

 言い換えれば、4節で既に全18人の監督の中で4人に絞られていたわけだ。この流れでいけば、16節を終了した現在、5人の交代枠すべてを毎試合欠かさず、綺麗に使い切っている監督はいないと考えるのが自然だ。

 ところがそうではなかった。1人だけ存在した。川崎の鬼木監督だ。ご承知のように川崎は現在、2位のセレッソ大阪に勝ち点8差を付けて首位を独走する。しかもだ。お世辞抜きでいいサッカーをしている。昨季の横浜Fマリノスも、模範的ないいサッカーをしていたが、今季の川崎はそれ以上だ。日本代表に代わり、日本サッカーの競技レベルを更新している。

 可能な限り選手を使いながら、様々な選手をテストしながら勝利を収めている。くり返すが交代枠をフルに使う監督は選手から信頼されやすい。その結果、スタメンとサブの間に境界線はなくなる。チーム全体のムードが明るくなる一方で、選手間の競争も激化する。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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