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“ファイナリスト”への道険し。欧州組増加も喜べぬ、日本サッカー界が憂慮すべき誤算

杉山茂樹スポーツライター
11-12CL決勝。ウェンブリーのスタンドに設置された表彰台に向かう宇佐美貴史

 リバプール対アトレティコ・マドリー戦が劇的な展開だっただけにチャンピオンズリーグ(CL)の中断は惜しまれる。しかし、アンフィールドで行われたその第2戦を振り返るならば、こちらの観戦モードは、延長後半8分、南野拓実が出場したことにより一転することになった。

 瞬間、日本人であることを意識してしまった。大舞台に日本人選手が立つ姿を見て、誇らしい気持ちになったものだが、複雑な思いも去来した。

 近年、日本人の海外組は急増。日本代表の7〜8割を占めるに至っているが、一方でチャンピオンズリーガーの数は伸び悩んでいる。片手で数えられる範囲からこぼれることがない状態だ。

 今季も南野(ザルツブルク、リバプール)、奥川雅也(ザルツブルグ)、長友佑都(ガラタサライ)、伊東純也(ゲンク)の4人に終わった。しかもリバプールに移籍した南野以外は、すべてグループリーグで終わっている。日本人選手のほとんどは、欧州サッカーの中心から離れた位置でプレーしていることになる。

 そうした現実が浮き彫りになった瞬間でもあった。日本人選手のレベルは本当に上がっているのか。南野が登場する姿を見ると、むしろ懐疑的になるのだった。CLを、国別対抗戦で争われるW杯の組替え戦と位置づけるならば、日本は、その決勝トーナメント1回戦に、もう何人か送り込んでいなくてはバランスが取れない。

 延長後半8分と言えば、先発選手の多くに疲れが見えている状態だ。南野の動きはその分もあったのか、際立って軽快に見えた。2つほど惜しいシーンも作り出したが、それをもって活躍したと評価することはできない。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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