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サッカーは個人競技に非ず。U-23アジア選手権。東京五輪代表選考レースばかりに目を奪われるな

杉山茂樹スポーツライター
(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 1月8日に開幕したU-23アジア選手権。東京五輪出場を懸けたアジア予選だ。開催国の特権で予選が免除されている日本にとっては、いわばオブザーバーとしての参加になる。

 メンバーはベストではない。海外でプレーする選手で呼び寄せることができたのは食野亮太郎(ハーツ)のみ。そもそも海外組は、東京五輪本番に出場できるか微妙だ。所属クラブから出場許可が得られない可能性がある。

 U-23アジア選手権に出場するメンバーの中から、五輪本大会にどれほど残ることになるかも、この優先順位の高そうな海外組の動向次第になる。半分程度残れるか、3分の2程度を占めることになるか、なんとも言えないが、出場する選手にとってこの大会がアピールの場になることは間違いない。

 森保監督も会見で「競争の場であることは選手に伝えてある」と、競争心を煽る言葉を吐いている。世間の関心も同様。五輪代表選考レースに向けられている様子だが、サッカーは個人競技ではない。マラソンやゴルフと同じ目線を傾けるわけにはいかない監督主導で行われるチームスポーツだ。選手選考その他に、絶対的な権限を持つ監督の、その目の確かさについて、なにより目を凝らす必要がある。

 五輪は設定が厳しい大会だ。代表チームは通常23人で編成されるが、五輪本大会はそれより5人少ない18人だ。フィールドプレーヤーに限れば、通常の20人に対し16人となる。試合間隔も短い。監督にはメンバーをやりくりする力が問われている。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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