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ベネズエラの3点目に日本代表サポーター席から感嘆の声が漏れた理由

杉山茂樹スポーツライター
日本代表対ベネズエラ(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 日本U-22がコロンビアU-22に0-2で敗れた試合。その2日後に日本代表が1-4でベネズエラに大敗した試合をそれぞれ広島と大阪で続けて観戦した。スタンドは、エディオンスタジアム(広島)、パナソニック吹田スタジアム(大阪)とも完全には埋まらなかった。サッカー人気が上昇傾向にはないことを示す事象だとすれば、残念というしかない。

 完敗した試合を見に行かなくてよかったとか、テレビでも見なかったとか、そうした声も聞く。このところ日本代表はよい試合をしていない。戦いの舞台はW杯アジア2次予選。どう転んでも負けそうもない小国とのミスマッチが続いている。日本はその弱者を相手に勝利を続けてはいるものの、内容的にはかなりお付き合いしている格好なので、盛り上がらないのは当然と言えば当然である。

 これまでなら時の代表監督(外国人監督)の個性やコメント力、独自の戦い方で何とか時間を繋ぐことができたが、森保監督には残念ながらそうした魅力はない。

 日本で開催されたラグビーW杯の直後ということも輪を掛ける。そこでベスト8入りしたラグビー日本代表の戦いぶりと比較されると、魅力度で大きく劣ることが一目瞭然となる。

 しかし、そうした背景を踏まえても、コロンビアU-22戦、ベネズエラ戦は、観戦に値する試合だった。見逃したサッカーファンにはもったいないことをしたと言ってやりたくなる面白い試合だった。サッカーの魅力を再認識させられた一戦と言ってもいい。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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