CL決勝の舞台=マドリードで思った。神戸の「バルサ化」って何だ?

写真:杉山茂樹/SHIGEKI SUGIYAMA

 マドリードで行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝、リバプール対トッテナム・ホットスパー(スパーズ)は、開始早々、リバプールがPKで先制する展開。はるばる現場に駆けつけながら、当たりか外れかで言えば外れに当たる試合に遭遇する不幸を恨んだものだが、その場にいて結果の重さ、勝利の重さだけはしっかり伝わって来た。

 リバプールとロンドンに本拠地多くイングランドの2チームがスペインの首都マドリードで決勝を戦えば、それに伴いサポータ-も移動する。それぞれの地元に在住しているファンだけではない。日本やオーストラリアなど、世界各地で暮らしているサポーターも遠路、駆けつけた。その数は「ワンダ・メトロポリターノ」の定員を大きく超える10万人近い数に及んだと報じられた。

 CL決勝はホーム&アウェーではない中立地帯(時にそうならないこともあるが)で行われることが、お祭り色というか、イベントとしての価値を高める重要な要因になっている。特定の場所に両軍サポーターが結集するというこの集団的行動には宗教的な匂いさえする。CL決勝は両軍サポーターの精神性を剥き出しにする最大級の舞台になる。結果に重さを感じる一番の理由だ。

 日本人にもリバプール、スパーズ両軍のファンがいる。日本を発つ前に「僕はスパーズファンです」と名乗る人と出会ったが、現地に到着し、実際に両軍サポーターの姿を目の当たりにすると、その言葉が酷く軽く感じられた。「好き」と一口にいっても、その度合いには著しい差が存在する。

 ○○好き。日本在住者がJリーグについて語ろうとする時、この言葉に違和感を覚えることはない。浦和ファンは浦和ファン。川崎ファンは川崎ファンだ。そこに無理を感じないが、スパーズファンです! と胸を張られると、ホントですか? と問い返したくなる。

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たかがサッカーごときに、なぜ世界の人々は夢中になるのか。ある意味で余計なことに、一生懸命になれるのか。馬鹿になれるのか。たかがとされどのバランスを取りながら、スポーツとしてのサッカーの魅力に、忠実に迫っていくつもりです。世の中であまりいわれていないことを、出来るだけ原稿化していこうと思っています。刺激を求めたい方、現状に満足していない方にとりわけにお勧めです。

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スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、2018年ロシア大会で連続10回現地取材となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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