勝つサッカーが勝てなくなったとき。モウリーニョに見るサッカーの本質

(写真:ロイター/アフロ)

 チャンピオンズリーグ(CL)2018-19シーズン。その再開緒戦となった決勝トーナメント1回戦、マンチェスターU対パリサンジェルマン(PSG)は、後者がアウェーながら2-0で勝利を飾った。マンUはそれなりに健闘した。しかしPSGとの間にはスコア通りの差があった。

 マンUはプレミアリーグで、スールシャール新監督就任後、白星を重ね、4位まで順位を回復したが、首位マンCとの間には、依然14ポイントもの開きがある。欧州のトップグループに君臨したかつての面影はない。ミランほどではないけれど、過去のチームになりつつある。

 そのマンU監督の座をモウリーニョは昨年末、解任された。シーズン途中の解任はチェルシー監督時代(2度目の)に次いで2回連続だ。当時のチェルシーも、すでに欧州のトップグループにはなかった。CLで優勝を狙えそうなチームの監督を務めたのは、その前のレアル・マドリー時代(10-13シーズン)まで遡る。さらに言えば、最後にCL優勝を飾ったのは09-10シーズンのインテル時代だ。その栄光は過去のものになっている。

 勝つサッカー。そのコンセプトは勝ちやすいサッカーの追究だ。勝利のためなら何でもする。攻撃的なサッカー、守備的サッカーどちらもこだわりなく実践する。自らに主体性はない。よく言えば、相手の弱みにつけ込むサッカーだが、相手が実力的に互角かそれ以上のチームになると必然的に守備的になる。モウリーニョの追究する勝ちやすいサッカーは、守備的サッカーに寄っていた。

 勝利を収めている間は、説得力のある話に聞こえる。優秀な監督に見えるが、勝てなくなると話の辻褄は合わなくなる。優勝請負人。日本のスポーツ界ではこうした言い回しをよくするが、勝てなくなった優勝請負人は何と言えばいいのだろうか。世の中にそうした人はいくらでもいる。

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たかがサッカーごときに、なぜ世界の人々は夢中になるのか。ある意味で余計なことに、一生懸命になれるのか。馬鹿になれるのか。たかがとされどのバランスを取りながら、スポーツとしてのサッカーの魅力に、忠実に迫っていくつもりです。世の中であまりいわれていないことを、出来るだけ原稿化していこうと思っています。刺激を求めたい方、現状に満足していない方にとりわけにお勧めです。

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スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、2018年ロシア大会で連続10回現地取材となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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