バルサに忍び寄るアルゼンチン代表化

(写真:ロイター/アフロ)

 中4日のフランスと中3日のクロアチア。クロアチアは決勝トーナメントの3試合をいずれも120分間(計360分間)戦っている。90分の試合に換算すれば4試合分だ。フランスより実質1試合分多く戦っているので、消耗度も25%増しと考えていい。コンディション面だけを見ればフランス有利、クロアチア不利となる。

 しかし、モチベーションで勝るのはクロアチアだろう。優勝経験があるフランスに対しクロアチアは3位が最高位。いずれも98年フランス大会の話になるが、両者はその時、準決勝を争い、フランスが2-1で勝利を収めている。今回のクロアチアはその雪辱戦だ。

 フランスは自国開催のユーロ2016では、絶対優位と言われながら、決勝でポルトガルに優勝をさらわれた。前半のなかば、相手の絶対的なエース、クリスティアーノ・ロナウドが怪我で退場したにもかかわらず。小国に足元をすくわれた格好だった。

 ロシアW杯決勝。フランス優位には違いないが、その差はわずか。フランスが優勝を意識し、受けて立つと危ない。準決勝のベルギー戦でも、決勝ゴールとなる先制ゴールを奪った後、守りに転じ、そして危うい終わり方をした。絶対に負けられない戦いという「大国病」に陥れば、クロアチアにはその分、チャンスが広がる。

 フランスはチームとして、スピードスターの新10番、ムバッペをどう活かそうとしているのか。フランスがいいサッカーができていないのは、いまだそこに正解を見いだすことができていないことだ。試合の流れに巧くハマったのはアルゼンチン戦のみ。その他の試合では、ゲーム運びの中で、折り合いを付けられずにいる。その魅力を持てあましている。というより、マイナスの要因に見える場面さえある。パリサンジェルマンのムバッペの方が、遙かによい選手に見える。

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杉山茂樹

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たかがサッカーごときに、なぜ世界の人々は夢中になるのか。ある意味で余計なことに、一生懸命になれるのか。馬鹿になれるのか。たかがとされどのバランスを取りながら、スポーツとしてのサッカーの魅力に、忠実に迫っていくつもりです。世の中であまりいわれていないことを、出来るだけ原稿化していこうと思っています。刺激を求めたい方、現状に満足していない方にとりわけにお勧めです。

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スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、2018年ロシア大会で連続10回現地取材となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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