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西野ジャパンにつける薬。2016年クラブW杯決勝で、鹿島はなぜ、R・マドリーに大善戦できたのか

杉山茂樹スポーツライター
2016クラブW杯決勝 レアル・マドリー対鹿島 ゴールを決めて喜ぶ柴崎岳(写真:ロイター/アフロ)

 W杯に期待するものは、日本代表の好成績だけなのか。日本代表に期待するものは成績だけなのか。

 西野監督がいかに名将であったとしても、日本がグループHでコロンビア、ポーランド、セネガルを抑えて2位以内に入るのは至難の業。ベスト16進出の可能性は、せいぜい10〜15%程度だろう。大手ブックメーカーのひとつであるウィリアムヒル社の予想によれば、H組の順列は以下の通り。

 コロンビア2.10倍、ポーランド2.75倍、セネガル6.00倍、日本8.00倍。

 セネガルを抑えてグループ3位に入れれば、上々という感じだ。しかし、メディアはこうした日本の苦しい現実を積極的に報じようとしない。これまでと同様に。日本のW杯出場は今回で6大会連続になるが、いまだ、自然に向き合うことができずにいる。無理を感じずにはいられない。

 日本代表は本大会でどこまで行けるのか。グループリーグ突破なるか。報道の定番スタイルは日本がどこまで行けそうか、だ。この手の質問を僕個人に浴びせてくる人は、さすがに減った。実際、能天気な楽観報道は減っている。だが、それを喜ぶわけにはいかない。その分だけ、報道の量が減った気がするのだ。成績が振るわなそうな場合、日本は沈黙する癖がある。

 事前の盛り上がりが、前評判に比例するのだとすれば、W杯は今回のみならず、今後もしばらく盛り上がらないだろう。日本がいまより格段に強くなる日は見えていない。10年以内にはまず到来しない。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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