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日本代表はなぜ毎度、失速パターンを繰り返すのか

杉山茂樹スポーツライター
(写真:ロイター/アフロ)

 開催国の特権で予選を免除された2002年日韓共催W杯は別にして、それ以降の各代表は毎度、同じような事態に必ずや陥っている。第4コーナーを回り、直線に向かうと勢いは低下。W杯が接近するにつれ、期待値を下げるパターンだ。ジーコジャパン、第2次岡田ジャパン、ザックジャパン、そしてハリルジャパン。98年フランスW杯を目指した加茂ジャパン+第1次岡田ジャパンにもその傾向は強く、加茂監督解任はその産物と言えた。

 繰り返すということは、学習能力がないことを指す。では、繰り返しているのは誰か。監督はその都度、異なる。その場限りの失策だ。その監督を選んでいるのはサッカー協会なので、それこそが「繰り返し」の張本人になるが、会長、専務理事、技術委員長が、その任に就いているのはせいぜい数年間だ。2度繰り返した人(原博実氏など)はいても、3度はいない。責任者を特定することは難しい。

 一方、失策に立ち会っている人は数多くいる。日本のサッカーファンだ。それなりに長くファンを続けている人ならば、そう言われれば……と、納得してもらえるだろう。

 だが、ファンはいまとても静かだ。三浦カズの、日本に何台しかない限定モデルのベンツをボコボコにしたような熱さはゼロだ。ハリルジャパンと失速ぶりが似ているのは第2次岡田ジャパンだが、この8年前の失速の方がまだ、騒ぎになっていた。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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