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佳境を迎えているJリーグ。優勝の行方を左右するポジションと選手、そして監督とは

杉山茂樹スポーツライター
注目したい広島のヤン・ヨンソン監督(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 終盤を迎え、鹿島と川崎に優勝争いが絞られているJリーグ。前節、首位を行く鹿島が広島に2−0で勝利する一方、2位の川崎は、仙台に逆転勝ちを収めた。両者の勝ち点差5に変わりはなし。得失点差では川崎が上回るので、その差を野球式に言えば、1.5ゲーム差未満となる。

 鹿島に与えられている余裕は、川崎が今後、全勝すれば1敗分しかない。まだまだ予断を許さない状況にあるーーとの想いは、広島戦を見ていると、なおさら膨らむのだった。

 2−0で勝ったけれど苦戦。降格争いの渦中にいる広島相手に、一歩間違えば、引き分けてもおかしくない試合をした。それでも2−0で勝ってしまうところが鹿島たる所以なのだが、それ以上に触れたくなるのは、広島の善戦ぶりだ。鹿島苦戦の原因は、広島の戦い方にあった。

 ヤン・ヨンソン監督が就任したのは7月11日。以降、鹿島戦前までの10試合を4勝4分け2敗で乗りきってきた。2勝5分け11敗だった森保時代とは、全く別のチームかと思わせるほど、見事に息を吹き返した。ヨンソン監督の力を思わずにはいられない。

 森保一前監督との違いは何か。分かりやすいのは布陣だ。前任監督の基本布陣は3−4−2−1。対するヨンソン監督は4−2−3−1。森保時代、後方だったボールを奪う位置が、ヨンソン就任後、上昇した。前線からプレッシャーを掛けていくサッカーだ。サイドの人数も森保式が各1人なのに対し、ヨンソン式は各2人。サイドをウイングバック1人に頼るサッカーから、2人で埋めるサッカーに変化した。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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