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イタリア的に行くのか。スペイン的に行くのか。CL決勝。ジダンの究極の決断

杉山茂樹スポーツライター
(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

欧州シーズンのフィナーレを飾るチャンピオンズリーグ決勝(6月3日・カーディフ)。レアル・マドリーかユベントスか。前者が勝てば88−89、89−90のミラン以来の2連覇達成となる。

不思議だ。バルセロナ、レアル・マドリーの各5回を筆頭に、ミラン3回、バイエルン、マンU各2回と、過去26大会中17回、勝者は複数回勝ったことがあるチームで占められている。2年連続決勝に進出したケースは、わずか4回。3年連続は2回しかない。そして連覇を狙ったその4チームはいずれも敗れている。つまり、過去26年間、連覇を飾ったチームはひとつも現れていない。

4チームとは、ミラン(92−93、93−94、94−95)、アヤックス(94−95、95−96)、ユーベ(95−96、96−97、97−98)、マンU(07−08、08−09)。そこに今回、レアル・マドリーが加わるのだが、過去4回を振り返って、最も連覇に接近したのはアヤックス。94−95、3年連続決勝進出を果たした絶対王者のミランを倒し、連覇を狙った95−96は、ユーベに対してPK負け。翌96−97も、メンバーを他チームに抜かれながらも準決勝進出。その時、アヤックスは時代の中心にいた。

ミラン、アヤックス、90年代その次に時代を迎えたのがユーベだ。

こちらもかなり惜しい2連覇逃しだった。94−95にアヤックスの連覇を阻止して欧州一に輝くと、翌96−97の決勝は、戦前から、断然優位の下馬評を得ていた。連覇を狙ったチームが、決勝戦の前に得た評価としては、この時のユーベが最も高かった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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