2度あることは3度あるか、3度目の正直か。マドリード・ダービーと なったCL決勝戦の見どころ
名勝負と言っていい。アトレティコ・マドリーが勝利したチャンピオンズリーグ準決勝、バイエルン戦。ビッグクラブが敗れた時、どこかに問題がある場合がほとんどだが、この試合は違った。バイエルンは悪くなかった。「美しい敗者」となったわけだが、これは一般的に、善戦虚しく敗れた弱者を讃える言い回しだ。強者が美しい敗者となるケースは希。両者ともよかった。名勝負に推したくなる理由だ。
ブリュッセルのヘーゼルスタジアム(現ボードワンスタジアム)で行われた73〜74のチャンピオンズカップ決勝、バイエルン対アトレティコは、どうだったのだろうか。映像で見たことはないが、出場した選手から、詳しく聞かされたことはある。アトレティコの攻撃的MFとして出場したハビエル・イルレッタ(元デポルティーボ監督)だ。
PK戦はまだ存在しなかった時代。試合は、15分ハーフの延長戦を経て再試合にもつれ込んだ。
決勝戦の1戦目。90分の戦いを終えてスコアは0−0だった。15分ハーフの延長戦で、両者1点ずつ取り合い1−1で再試合にもつれ込むことになったが、試合は終了直前までアトレティコがリードしていた。114分、エース、ルイス・アラゴネスが奪ったゴールで、勝利を手中に収めかけていた。
ゲルマン魂とは、ドイツ人のクソ根性というか、負けじ魂を表す言葉として知られるが、この73〜74のチャンピオンズカップ決勝は契機というか、それを象徴するような一件になる。シュヴァルツェンベックの同点ゴールが決まったのは、記録上では119分だったが、それはまさに終了間際。最後のワンプレイだったという。
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