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R・マドリーとスペイン代表の浮沈のカギを握る“縦に強い”右利きの右ウインガー

杉山茂樹スポーツライター

レアル・マドリーが、通算スコア4−0で勝利したチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦。対ローマのセカンドレグは、後半15分過ぎまで0−0で推移していた。ローマホームのファーストレグは0−2マドリー。試合はこの時点で、8割方勝負あったという感じだった。マドリーにとって警戒すべきは、右ウイングのエジプシャン、モハメド・サラー1人に限られていた。

マドリーがこの試合の先制ゴールを叩き出す直前も、サラーは右サイドを疾走。ドリブル&フェイント&センタリングで見せ場を作っていた。利き足は左。ローマのスパレッティ監督は、ほぼ左足一本でプレイするウインガーを、右サイドに配していた。

この日、マドリーの右ウイングとして出場したベイルも左利きだ。右ウイングに右利きではなく左利きを置く考え方は特に最近、幅を利かせている。代表格はメッシとロッベン。彼らがそうであるように、内に切れ込めば、利き足の左足でシュートが狙える。バルサの左ウイングは右利きのネイマールで、バイエルンの左ウイングもリベリーだ。右サイドにも左サイドと同様の発想が働いている。

この場合、折り返しは、ゴールラインの手前からが多くなる。ライン際まで深々と侵入しマイナスの折り返しを狙うなら、右サイドには右利き、左サイドには左利きを置いた方が好都合だ。すなわち昨今のサイド攻撃は、マイナスの折り返しより、カットイン狙いになりつつある。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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