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Jリーグのサッカーが、ガラパゴス化する理由について

杉山茂樹スポーツライター

週末、観戦取材に行った横浜Fマリノス対湘南ベルマーレは、3-0で横浜が勝利を飾った。しかし、実際には5-0でもおかしくない内容で、敗れた湘南にはそれでもラッキーがあった。前線にボールが収まらない。完敗の原因は、いろいろあると思うが、何より目に付いた点はそこだった。なので、全体として前に出て行けない。そんな感じだった。

湘南の布陣は3−4−3。4分割表記に直せば、3−4−「2−1」。いわゆる1トップ、2シャドー型だ。その3人で、前から積極的に圧力を掛けようとする意図は伝わって来た。その結果、横浜の両センターバックが、奪われることを恐れて、繋がずに大きく蹴ってしまうというシーンに、確かに何度か遭遇した。そうした意味でこの布陣は奏功していたが、一方で、前線でボールが収まらない原因にもなっていた。

3−4−2−1の2のポジションと、それは大きな関係がある。開いているか、閉じているか。内側で構えているか、外側に構えているか。2シャドーと言う表現が正しければ、センターフォワードの脇になるが、湘南の2もそんな感じだった。タッチラインに近い場所で構えているわけではない。

真ん中とサイド。ボールを収めやすいのは後者だ。真ん中は相手に四方から圧力を掛けられるが、サイドは片側だ。難易度はその分だけ低くなる。

サイドの高い位置にボールが納まれば、3−4−2−1の4の両サイドとの間で連携が利く。全体として前に出て行きやすくなる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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