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日本に一番欲しい ”宇佐美と武藤を足して2で割った選手”

杉山茂樹スポーツライター

「武藤チェルシー移籍」は、実際に活躍する姿を想像しにくい、非現実的な話に聞こえるが、ネットにとっては美味しい話。不確かなものが、話題性優先でグイグイ一人歩きする様子に、今の時代の歪んだ側面を見る気がする。

それはともかく、この話、移籍が実現したとしても、アーセナルに移籍した宮市がフェイエノールトにレンタルされたように、チェルシーが水面下で提携しているクラブに、即レンタルさせる可能性が高いーーと考えるのが自然だ。

日本で話題になっている選手をひとまず管理下に置いて様子を見よう。これがチェルシーの本音だと思う。

だが過去に、それとは一線を画す出来事もあった。日本人選手が超ビッグクラブにいきなり入団した例だ。

2011年にバイエルン入りした宇佐美である。1年の期限付き移籍ながら、買い取りもあり得るというオプション付き。結局彼は1シーズンでバイエルンを離れたが、それでもリーグ戦に2試合ほど出場している。そして何より驚かされたのは、チャンピオンズリーグ決勝(対チェルシー戦)という世紀の一戦にベンチ入りしたことだ。

これにはいったいどういう意味があったのか。彼の保有権をバイエルンが持っていれば、移籍金をつり上げようとする思惑を感じるが、ローン契約の宇佐美にそれはあてはまらない。状況次第で出場機会はある。戦力になり得る。時の監督、ハインケスが他意なくそう判断したと考えることが、一番妥当な気がする。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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