Yahoo!ニュース

アギーレ八百長問題。もし"シロ”だったらどうするのか。

杉山茂樹スポーツライター

アギーレ監督が八百長問題で、スペインの検察当局から告発されると、にわかに解任を求める声が高まりを見せた。中でもスポーツ新聞社系の一部メディアは解任に積極的だった。盾としていたのはスポンサーの意向。スポンサー関係者がこの状況を、苦々しく見つめるコメントを紹介。このままでは、サッカーのイメージが悪くなると、静観の構えを示す協会に批判的な立場を取った。

アギーレがスポンサーサイドから、良くないイメージを持たれているという話は、アギーレがこの問題に巻き込まれる前からしばしば耳にした。一番の理由に挙げられるのが、ベストメンバーで臨まなかった10月のブラジル戦の戦いぶりだと聞くが、こちらにその話を伝えた人も「スポンサーの意向」に違和感を持ち合わせている様子ではなかった。

スポンサーの意向。これは絶対的な声のように聞こえる。例えば、A社と4年間で85億円の契約を結べば、A社の意向は無視できないものになる。民放のテレビ局はそうだろう。スポンサーの意向は神の声。スポンサーサイドが強烈に推す人物は使わざるを得なくなる。

もし、そうした事実があったとしても特段、問題にはならないだろうが、日本サッカー協会の場合は、民間会社ではない。日本サッカーの普及と発展を第一に考える公共性の高い公益財団法人だ。サッカーファン、サッカー競技者をサポートするために存在している。スポンサードする側には、金は出しても口は出さない奥ゆかしい姿勢が求められる。

この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。

たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2014年12月

税込550(記事4本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

杉山茂樹の最近の記事