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鍵はプレーの幅を広げること 〜渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大)デビッドソン大戦後コメント

杉浦大介スポーツライター

Photo By GW Athletics (写真は2月14日のVCU戦のもの)

2015年2月18日

デビッドソン大(18勝6敗)65-63ジョージ・ワシントン大(17勝9敗)

渡邊雄太 21分出場し、5得点((FG1/6、FT2/2、3PT1/4)、2リバウンド、0アシスト、1ブロック、1ターンオーバー

ジョージ・ワシントン大は前半は31-23で折り返すも、後半開始早々にデビッドソン大が10−0のランで逆転する。以降は常に7点差内のシーソーゲームが繰り広げられ、残り32秒の時点でデビッドソン大が65-63とリード。最後はジョージ・ワシントン大のキーサン・サベジが放った決まれば逆転のスリーが外れ、ゲームオーバーとなった。これで3連敗、ホームでも2連敗、過去6戦中5敗と不振のジョージ・ワシントン大は、アトランティック10カンファレンスで6位タイに転落。3月のA10トーナメントで優勝しない限りマーチマッドネスの出場は難しい状況になった。

  • 日本メディア相手の囲み取材より

初スタメンで緊張も

ーー連敗中の大事なゲームで初のスタメン入りを果たした。勝っておきたいところだったけど、最後は残念な負け方になってしまった。

YW:ここ6試合で5敗、デイトン大に勝っただけであとは負けていますし、(前戦では)ホームでも初めて負けてしまった。今日の試合は大事でした。スカウティングの時点で相手の3点シュートを止めなければいけないのは分かっていたんですけど、最初から何本も連続でやられてしまった。それでも前半は8点差で良い形で終われたんですけど、後半の出だしでいきなり8−0(注/実際は10-0のランで逆転)で追いつかれて、そこからは全然ダメでしたね。

ーー初めてのスタメンということで、気持ち的にいつもと違う感じだった?

YW:シックスマンだろうがスタメンだろうが考えずにやるという風に意識しているんですけど、初めてのスターターなので出だしはちょっと緊張していたかなと思います。

ーー63-65とリードされて迎えた最後のポゼッションは、渡邊選手がジャンパーを打つようにデザインされたプレーだった?

YW:タイムアウトの時点では、11番(サベジ)がボール持って、僕がスクリーンをかけ、そのままいけたらドライブ、ダメだったらゴール下にいるケビン・ラーセンにパスを出すという指示でした。ただ、僕とコーナーの2人は空いていたらスリーポイントを打てとも言われていました。僕がボールをもらったときはワイドオープンだったんで、シュートを打つべきだったかなと思います。

ーー気持ち的に躊躇してしまった?

YW:僕がボールをもらったときに、コーナーにワイドオープンの選手を見つけたんです。今日は(自分の)シュートの確率も1/6かなんかで凄く悪かったんで、そこでパスしました。ただ、さっきもコーチにあれは僕が打つべきシュートだったと言われました。

チームとしても空回り気味

ーーどんな良いシューターでも不調の日はある。ただ、今日はエアボールもあったし、自分でも少し違うかなという気持ちがあった?

YW:出だしでいきなりエアボールを放って、シュートタッチはあまり良くないなと。決めたスリーポイントも、正直言うと外れたかなと思ったくらいで、入ったのはラッキーだった。今日は全体としては最悪でした。

ーーオフェンス時には3点シュートを重視するように指示されているのか、それとも自分の中でやはりそれを武器にしようと思っているのか。

YW:シュートを毎日練習していますし、空いたら打つように。そこは考えずにというか、少しでもスペースがあったら打つという考えは自分の中にあります。でも最近は本当に3点シュートに頼り過ぎというか、入っていないのにスリーの数が多くて、確率もどんどん落ちて来ている。だからドライブの技術とかも(磨く必要がある)。今日の5点のうち2点はスリーを打たず、ドライブにいってフリースローをもらってという形。ああいうプレーをもっと増やしていかなければいけないかなと思います。

ーー今日は日本のメディアも多かった。プレッシャーもあった?

YW:そこは全然考えず、自分の仕事をコートでやるだけ。メディアの数が多いとかは気にしてなかった。これが今の自分の実力です。

ーーチーム全体も少し空回りしている?

YW:チームとしても最近は負けが多いんで、精神的にも負担がかかっている。みんなどうしても勝たなければいけないと思ってしまっている。僕もそうなんですけど、負けが多い分、今回こそは絶対に勝たなければと、空回りしている部分はあると思います。

今日の負けを次の勝ちに繋げたい

ーー厳しくなったのは確かでも、まだ来月にブルックリンのトーナメントもあるし、取り返しがきかないわけではない。そんな状況で、コーチからはどんな言葉をもらっている?

YW:試合後のロッカールームでは細かい1つ1つのこと、こういうことがダメだったから負けに繋がったとか、細かい指示を試合ごとに伝えてくれます。今は自分たちが応えられていないし、表現もできていない。何人かコーチがいて、みんな試合のたびに時間をかけてスカウティングもしてくれています。コーチに言われたことをしっかり聴いて、反省して、今日の負けを次の勝ちに繋げられたらと思います。

ーー選手交代を頻繁に行なうコーチ。交代を心配し、ミスを恐れてしまうことは?

YW:僕はあまり気にしていないですけど、選手によっては考える選手もいるとは思います。(ただ、)ミスを怖がってプレーするくらいなら初めからコートに出ない方が良いと思っているので。例え1プレーでもコートに立たせてもらえたら、自分に出来ることをしっかりやりたいと僕は考えています。

ーースカウティングが進み、同じ相手と2度対戦することで難しい部分もある?

YW:相手のスカウティングも凄く厳しくなっていると感じます。最近は僕なんかに対しても弱いところを突かれたりしているんで、自分のプレーの幅を広げなければいけない。今は本当に成長しなければいけない時期だと感じています。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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