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伝統と現在を凝縮。『PLAYZONE』青山劇場FINALが熱い!

杉谷伸子映画ライター

歴代の名曲を歌い踊る圧巻のステージ

少年隊による1986年の初演以来、今年で29年目となる『PLAYZONE』(通称プレゾン)。青山劇場の閉館が決まっているため同劇場での公演は、この夏が最後。5日、公開ゲネプロが行われた。

『PLAYZONE 1986…2014★ありがとう!〜青山劇場★』は、まさに「プレゾン」の集大成。ジャニーズ歴代の名曲を今井翼が率いる出演者たちが、マイケル・ジャクソンの振付師としても知られるトラヴィス・ペインステイシー・ウォーカーの演出・振付でエネルギッシュに歌い踊る。

少年隊の『ダイアモンド・アイズ』で幕を開けたステージは全24曲。今井が中山優馬とともに魅せるタッキー&翼の人気ナンバーや、屋良朝幸を交えた3人でロマンティックな世界へと誘う少年隊の名曲、今井が得意とするフラメンコがいきる『アンダルシアに憧れて』や滝沢秀明の『愛・革命』を披露するなど、バリーエーションも豊か。ふぉーゆー、They 武道、“MAD”、Travis Japanとともに織りなすステージは、ときにコミカル、ときにハードにと、さまざまな表情を見せながら魅了し続ける。キャスト全員でハードに踊る『ROAD TO PLAYZONE』『Guys PLAYZONE』は圧巻だ。

GPの客席には坂本昌行や堂本光一、Hey!Say!JUMPのメンバーたち、町田慎吾らが見学する姿も。『We’ll Be Together』ではキャストが客席にマイクを向けると、記者席の後方から彼らの(に違いない)歌声が返ってくるという素晴らしい場面もあった。これはGPならではの風景だが、本番の劇場では『PLAYZONE』を愛し、応援しつづけてきた観客との、さらに感動的な合唱が聴かれることだろう。

ノッてる男・今井翼に大先輩・東山から挑戦状!?

青山劇場FINALということで、囲み取材にはトラヴィス・ペインも交え、全キャストが出席。

「この29年の歴史には、ひと言では言い表せないぐらいの伝統が刻み込まれていますし、かずかずの作品が上演されてきた東京の劇場のなかでも聖地ともいえる青山劇場がなくなってしまうのは寂しい」と語る今井。初めて訪れた劇場でもあり、事務所に入って初めて観た舞台が少年隊の『PLAYZONE』だったということで、青山劇場にも縁を感じており、「今回がラストの年というのは感慨深いものがある」と話す。

青山劇場は閉館になるが、「まだ詳細はわからないんですが、引き続き来年以降もまた新しい体勢でやっていきたい」と話す一方で、公演中にウルッとくる瞬間はありそうかという質問に、「いや、もうそれはゲネプロからありますよね。ステージ上からトラヴィス、ステイシーが見守ってくれている姿が見えると、自分たちも胸が熱くなる瞬間はすごくあります」と、青山劇場FINALへの思いはひとしお。

そのトラヴィスの誕生日ということで、東山紀之がお祝いに駆けつけるサプライズも。「ここで(少年隊の)3人で培ってきたものが今の僕を作っている。それを引き継いでほしい」と後輩たちを激励するとともに、「トラヴィスに振り付けてもらって、翼と勝負したいです。まだまだ負けないぞってところを見せなきゃいけないんで」と、「今一番ノってる男」と認める後輩・今井への笑顔での挑戦も飛び出した。2人の競演の実現は、ファンも楽しみなところだろう。

「すべての世代のファンに対して、恩返しという気持ちをこめてしっかりやっていきたい」と今井をはじめキャストたちの熱い思いがこめられたステージは、7月6日(日)〜8月9日(土)、青山劇場にて上演。

『PLAYZONE 1986…2014★ありがとう!〜青山劇場 オリジナル・サウンドトラック』は7月30日発売。

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『25ans』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

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