映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『25ans』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。
記事一覧
- 4分超の長回し性愛シーンに託されたもの。2025年、戦争終結から一年後のウクライナ『アトランティス』
戦争終結一年後の2025年と、戦争の始まりとなった2014年。ロシアによる侵攻が続くなか、戦禍に見舞われたウクライナの真実を伝えるヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督の2作が緊急公開。
- 14歳の夏。昏睡状態の母に聴かせていたオペラが、少年の世界を変える。『母へ捧げる僕たちのアリア』
昏睡状態の母を在宅看護するなか、14歳の少年ヌールは思いがけない才能を開花させていく。『母へ捧げる僕たちのアリア』で長編監督デビューしたヨアン・マンカにインタビュー。
- 格差社会への不満がもたらす秩序崩壊。性暴力はどう描かれたか。ヴェネツィア映画祭審査員大賞作品に見る。
広がり続ける経済格差への不満がもたらす事態を、メキシコの俊英ミシェル・フランコはどう描いたか。冷徹な視線と鮮烈なイメージに震える。
- 刺激的なセックス描写は必要なのか? ベルリン映画祭金熊賞受賞作の挑発が考えさせる。
本番セックスシーンに監督自身が検閲を加えたベルリン国際映画祭金熊賞受賞作。ルーマニアの鬼才の試みが、映画におけるセックス描写を考えさせる。
- 必然性があるから心を揺さぶる。セックスシーンと裸が内面を映し出す『帰らない日曜日』と『パリ13区』
ジャック・オディアール監督の『パリ13区』、エヴァ・ウッソン監督の『帰らない日曜日』。必然性と信頼関係のもと、登場人物の内面を映し出す愛と性の描写に心が揺さぶられる。
- 『カムカムエヴリバディ』アニーさんの仕事って?『キャスティング・ディレクター』で知るその喜びと葛藤
先駆者マリオン・ドハティを中心に、キャスティングという仕事に迫るドキュメンタリー。豪華俳優や名監督たちの証言も交えて綴る世界は、1人の女性の一代記としても映画史としてもエキサイティング!
- 祭り上げては突き落とす。SNS社会に翻弄される父親は、息子のヒーローでいられるか。『英雄の証明』
【インタビュー】2度のアカデミー賞に輝くアスガー・ファルハディ監督の『英雄の証明』が公開中。字幕監修を手がけたショーレ・ゴルパリアンさんに作品の理解が深まる話を聞いた。
- 17歳、トランスジェンダー。彼女は自分らしい名前で学校に通いたかった。『私はヴァレンティナ』
【監督インタビュー】トランスジェンダーの生徒が通称名で学校に通うことができるブラジルで、自分らしく生きようとする17歳を描いた『私はヴァレンティナ』。カッシオ・ペレイラ・ドス・サントス監督に聞く。
- 「タバコが喫いたかっただけ」なダークヒーローに思うこと。40年を経た『ニューヨーク1997』。
数々の傑作を生み出しながらもB級路線を突き進むジョン・カーペンター監督。映画界の異端児のレトロスペクティブでは4Kレストア版で40年ぶりに帰ってくる『ニューヨーク1997』など3作を上映。
- 「嫌悪感を抱かせる生々しさが一番得意」。東京国際映画祭が世界に紹介する日本の鬼才・吉田恵輔。
東京国際映画祭の新部門『Nippon Cinema Now』で特集される吉田恵輔監督。TIFFが世界に紹介する鬼才にインタビュー。
- なぜ、今、ジョニー・デップで『MINAMATAーミナマター』なのか。
世界に水俣病の存在を知らしめた写真集『MINAMATA』を基に、ジョニー・デップがユージン・スミスを演じ主演作が公開中。なぜ、ドキュメンタリーではなく、写真集が原案のドラマとして描いたのか。
- 推しとリアでまさかのめぐり逢い。残念女子の世界はいかにして変わったか。『ディナー・イン・アメリカ』
【監督インタビュー】パンクを聴いている時だけは退屈な現実を忘れられた。そんな残念女子と推しの出逢いを描いたアダム・レーマイヤー監督作が、明日へのパワーをくれる。
- 妊娠10週。少女は中絶手術のためにニューヨークを目指した。『17歳の瞳に映る世界』
17歳の少女たちを通して映し出されるのは、17歳だけの問題ではない。女性を取り巻く問題を浮かび上がらせつつ、自分の未来に向き合う勇気をくれるベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作。
- ポルーニンの完璧な裸体が魅せる、女の欲望。赤裸々な性愛の告白、30年越しの映画化『シンプルな情熱』
年下既婚男性との愛の体験を赤裸々に綴ったアニー・エルノーのベストセラー小説を映画化したダニエル・アービッド。この作品で最も大切にしたのものは?
- オスカー女優初共演作で光るあの子は何者?『ブラックバード 家族が家族であるうちに』
スーザン・サランドンとケイト・ウィンスレット。オスカー女優が初共演した『家族が家族であるうちに』。作品そのもの感動はもちろん、新たな才能に出会う感動も味わってほしい。
- 良妻なんてぶっ飛ばせ!女性たちの“革命”を朗らかに描く『5月の花嫁学校』
【新作映画/監督インタビュー】『5月の花嫁学校』で自分らしい生き方に目覚める女性を描いたマルタン・プロヴォ監督のこだわりとは?
- “12歳・女子”にコンタクトする成人男性たち。親子で話し合いたい実態『SNS-少女たちの10日間-』
子供たちを狙うネット上の性的搾取。その実態を映し出すチェコ発ドキュメンタリーを、共同監督したヴィート・クルサークにインタビュー。日本公開版はR-15指定だが、実は12歳も観られるバージョンも存在する。
- 92分だけ寿命を延長された男は、人生をやり直せるのか。別の結末も撮っていた『ワン・モア・ライフ!』
天国の入り口で92分だけ寿命を延長された中年男が、人生やり直しに挑む。ベストセラーをもとに愛すべき寓話を紡ぎ出したダニエーレ・ルケッティ監督にインタビュー。
- 夢や希望を歌いあげなくても、ディズニーの“魔法”は輝く。『ラーヤと龍の王国』
【新作映画レビュー】世界を再びひとつにするために必要なのは、「信じあうこと」。ディズニー・ヒロインの新たな王道を歩むラーヤの物語を、圧倒的な映像美と、脇を固める魅力的なキャラクターたちが輝かせる。
- もうオーバー80にも驚かない。レジェンドたちが映し出す人生100年時代。
70代80代を迎えたビッグネームの主演作が続々公開。その活躍ぶりも作品ジャンルの幅広さも、人生 100年時代を映し出す。
- 『薄氷の殺人』の気鋭と再タッグのグイ・ルンメイ。逃亡犯と謎の女の思惑が絡み合う『鵞鳥湖の夜』。
『薄氷の殺人』の気鋭監督ディアオ・イーナンの5年ぶりの新作で再びタッグを組んだグイ・ルンメイ。逃亡犯の前に、妻の代わりに現れた謎めいた女を演じたグイにインタビュー。
- 『ジョーカー』のホアキンを抑えての男優賞。主演ルカ・マリネッリに訊く『マーティン・エデン』の斬新。
2019年ヴェネチア国際映画祭で『ジョーカー』のホアキン・フェニックスを抑えて男優賞を受賞したルカ・マリネッリ。その主演作『マーティン・エデン』が公開中の彼のインタビューです。
- 性を見つめて、向き合うものは? 『タッチ・ミー・ノット ローラと秘密のカウンセリング』
他人に触れられることに拒絶反応を示すローラ。その“生”と“性”を、“現実”と“虚構”を交えて描いくベルリン映画祭金熊賞受賞作。
- 劇場公開前にオンライン先行配信中。アトラス山脈の少女の揺れる想い。『ハウス・イン・ザ・フィールズ』
コロナウイルス感染拡大により、映画界ではさまざまな試みが行われた。劇場公開に先駆けてオンラインで緊急配信されている新作もある。
- 空に浮かぶ方舟で、欲望と暴力が荒れ狂う。キム・ギドクの過激な寓話『人間の時間』
世界三大映画祭で栄冠を手にしたキム・ギドク。チャン・グンソクやオダギリジョーら豪華キャストを迎えた最新作は、空に浮かぶ船を人間社会の縮図に見立てて、人間という存在を見つめる過激な寓話。