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台風18号は東進、全国暑く北海道は10月史上初の真夏日続出へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風18号と低気圧の雲(ウェザーマップ)

台風18号は日本の東へ

台風18号の予報円(ウェザーマップ)
台風18号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

きょう10月1日(土)午前3時現在、台風18号は八丈島と父島のちょうど真ん中あたりを通過し、今後は日本の東海上を北東へ進むでしょう。そしてあす2日(日)午前3時には温帯低気圧となり、さらに日本の東へ遠ざかる見込みです。

もう陸地に影響する可能性はほとんどありませんが、関東や伊豆諸島を中心に、あす2日(日)にかけて、高い波やうねりが届きますので、晴れていても海のレジャーはご注意ください。

北海道に記録的な暖気

予想天気図(ウェザーマップ)
予想天気図(ウェザーマップ)

上図はきょう10月1日(土)午前9時の予想天気図です。

台風18号は伊豆諸島の南から日本の東海上へ次第に遠ざかるでしょう。一方、タイトル画像にもあるとおり、北海道の北を低気圧や前線が通過し、これに向かって季節外れの記録的な暖気が北海道に流れ込む予想です。

全国的に暖気に覆われ、気温が上がりますが、特に北海道では平年よりもはるかに高い暖気に覆われることになりそうです。

北海道に記録的な暖気、来週は冬の寒気に激変

上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)

上図は上空1500メートル付近の気温の予想です。左はきょう10月1日(土)午前9時の予想で、赤い所が濃くなればなるほど平年より高いことを表しており、北海道が平年より大幅に高いのが一目瞭然で、平年より10度以上高い所もあるでしょう。上空1500メートルで15度以上の暖気は、晴れれば真夏日となる目安です。

そして右が来週6日(木)午前9時の予想で、今度は一転して北から強い寒気が南下してくるでしょう。青い所が濃くなればなるほど平年より低いことを表しており、特に北海道は平年より10度近くも低くなりそうです。

つまり、北海道は今週末から来週後半にかけて、上空の気温が20度前後も急降下する予想で、真夏日が一転、内陸では雪が舞うような寒さとなるため、季節の激変ぶりに要注意です。北海道以外も、来週半ば以降は季節が急発進することになりそうです。

北海道は10月史上初の真夏日続出へ

北海道の気温予想(ウェザーマップ)
北海道の気温予想(ウェザーマップ)

北海道における10月の歴代1位の高温記録は、2021年10月4日北斗と1987年10月5日佐呂間で記録した28.2度で、これまで10月に真夏日を記録したことは一度もありません。ですから、きょう10月1日(土)にもし真夏日となれば、北海道での10月史上初めてのこととなります。

ちなみにこれまでの北海道の真夏日の最も遅い記録は、1960年9月22日紋別で記録した30.0度となっています。

上図はコンピュータの計算におけるきょう10月1日(土)午後1時の気温予想で、道東の網走周辺に赤い30度以上の領域が出現しています。これは上空の暖気と日差し、さらに西寄りの風が山越えのフェーン現象を起こすためです。

コンピュータの計算による北海道の予想最高気温は、網走31.8度、女満別31.6度、湧別31.5度、佐呂間31.2度、北見31.0度などとなっていて、札幌でも29.9度が予想されています。

予想通りならば、北海道は道東を中心に、多くの地点で、10月の史上初めての真夏日を記録することになり、同時に北海道の最も遅い真夏日の記録も更新することになるでしょう。札幌も10月の過去1位の暑さは27.3度ですから、過去の記録を大きく更新するかもしれません。

北海道以外も気温が高く、西日本を中心に真夏日が続出する予想です。10月のスタートは朝晩は涼しくても、日中は熱中症に注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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