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台風5号の後を追う熱帯低気圧にも警戒、本州はダブル高気圧の出現で40度に迫る猛暑も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

台風5号は遠ざかる予想

台風5号の予報円(ウェザーマップ)
台風5号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風5号は、足早に日本の南を北上し、昨夜29日(金)午後9時頃、奄美や屋久島などに最も接近した後、東シナ海へ抜けました。

きょう30日(土)午前3時現在、九州の南西海上の東シナ海を時速35キロで北西へ進んでおり、このあときょう日中にかけて、九州からは次第に遠ざかることになるでしょう。

ところがタイトル画像にあるとおり、台風5号の南側、沖縄の南には別の熱帯低気圧に伴う一段と大きな雲の渦があり、この雲域が台風5号を追いかけるように北上するため、南西諸島や九州などでは、引き続き、油断できない状態が続きそうです。

なお、今のところ、この熱帯低気圧は台風までには発達しない見込みですが、海水温が高いため、最新情報に要注意です。

大雨は長丁場

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

台風5号は遠ざかっても、別の熱帯低気圧が台風5号を追いかけるように北上する見込みで、沖縄から奄美、九州付近にかけては、しばらく非常に湿った空気が南から北へ流れ込みやすい状態が続くでしょう。

特に南北走行の雨雲は、同じ場所を次々と通過しやすく、もし活発な雨雲が集中的に通過するようなことがあれば、予想以上の大雨となることも考えられますので、週明けにかけて、長丁場の警戒が必要となりそうです。

ダブル高気圧再び

ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)
ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)

台風5号やそれを追いかけるように進む熱帯低気圧が本州を避けるように東シナ海を進むのは、その東側の本州付近に強い高気圧があることを示しています。

この高気圧の予想をみると、上空6000メートル付近で明瞭となる太平洋高気圧と、さらに上層の上空10000メートル付近で明瞭となるチベット高気圧がともに強く本州付近に張り出す予想で、これは6月下旬にあまりにも早すぎる梅雨明けと季節外れの記録的な猛暑がもたらされた時と同じパターンで、いわば猛暑をもたらす典型的なダブル高気圧の出現となります。

(今回のチベット高気圧はチベット方面から張り出しているというよりは、太平洋高気圧がさらに上層まで強まったとも言える状況かもしれません。)

40度に迫る可能性も?

予想最高気温(ウェザーマップ)
予想最高気温(ウェザーマップ)

ダブル高気圧の出現で、約1か月ぶりに広範囲での猛暑がやってきそうで、言うなれば、この夏2度目の盛夏期が訪れることになるでしょう。

特に気温が上がるのが関東甲信地方で、佐野(栃木)、伊勢崎(群馬)、熊谷などの内陸部では38度前後が続出し、気象条件によっては39度くらいまで上がる可能性もあります。40度に迫る暑さとなる所が出てくるかもしれません。

下層の温度場からは1か月前のように40度以上が続出するようなところまではいかないと思われますが、それでもかなり危険度の高い暑さが向こう10日間程度は続く予想で、熱中症など、体調管理に、引き続き、十分注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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