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日本の南で新たな熱帯低気圧が発生、週明けにかけて北上も、どこへ向かう?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

新たな熱帯低気圧が発生、進路は定まらず

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

日本の南海上にあった低圧部がきょう24日(日)午前6時に熱帯低気圧に変わりました。(関連記事

熱帯低気圧が発生するのは今月5日(火)、台風4号が九州へ上陸し、消滅して(温帯低気圧)以来のことで、約20日ぶりとなります。

新たに発生した熱帯低気圧は、小笠原の西海上、東経140度線に沿ってしばらく北上したあと、西寄りに曲がりながら、あす25日(月)午後9時には北緯30度線付近に到達する見込みです。

ただタイトル画像にも付した通り、その後の進路予想が非常に難しくなっています。

これは本州付近の上空に太平洋高気圧が張り出してきているためで、関東に直接北上してくる可能性はほとんどなさそうですが、東海以西ではどこを目指して北上してくるのか、種々の計算によりまちまちで、太平洋高気圧に行く手を阻まれるように西へ西へ進んだ場合は、九州の南を通り、東シナ海へ抜ける計算まで存在しています。

また今のところ、熱帯低気圧は台風にまで発達する計算はほとんどなく、北緯30度線以北では、位相が不明瞭となる計算もありますが、周辺の海水温をみると、熱帯低気圧が発生した海域では30度以上あり、さらに日本の南海上は広く台風が発生するとされる27度以上ありますので、今後も熱帯低気圧の進路とともに勢力などの情報にも注意をしていただきたいと思います。

四国へ向かうシナリオでは?

雨や風、熱帯低気圧の予想(ウェザーマップ)
雨や風、熱帯低気圧の予想(ウェザーマップ)

参考までに上図は日本のGSMモデルの予想ですが、熱帯低気圧の位相は、26日(火)に北緯30度線に沿って西進したあと、北上し、27日(水)には四国付近に到達する計算です。

このため、四国付近では最も雨雲が発達し、顕在化した前線が北陸や東北地方にのびている状態です。

ただ上述した通り、熱帯低気圧の進路やタイミング、勢力次第で、雨の降りやすい地域や強雨域が大きく変化しますので、今後も最新情報に注意を願います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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