Yahoo!ニュース

新たな熱帯低気圧が発生し小笠原近海を北上か、今のところ少ない台風発生数

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

台風4号は7月5日(火)に消滅

台風4号の進路図(速報値、ウェザーマップ)
台風4号の進路図(速報値、ウェザーマップ)

上図は今月上旬に、沖縄から九州へと進んだ台風4号の進路図ですが、5日(火)に九州へ上陸したあと、すぐに温帯低気圧に変わり、これ以降、新たな台風は発生していません。

きょう22日(金)現在、今年の台風発生数は4個ということなのですが、これは7月下旬までの発生数としては、かなり少ない方です。

今のところ、台風の発生数はかなり少ない

過去10年の台風発生数(筆者作成)
過去10年の台風発生数(筆者作成)

上図は、1月~7月までの台風発生数を過去10年間、調べたものです。ばらつきはあるものの、多い年(2014年、2015年、2018年)では12個の台風が発生しており、平均すると8.6個という発生数です。

今年は今のところ4個ですから、7月はまだ1週間ほど残ってはいるものの、現段階では、かなり少ない発生数だと言えるでしょう。

ちなみに今は太平洋でラニーニャ現象が続いていますが、過去10年間を調べた限りでは、ラニーニャ現象が起こっていても、エルニーニョ現象が起こっていても、1月~7月の台風発生数には、明確な差はみられませんでした。

そして台風4号以来、おとなしかった南の海上ですが、少し騒がしくなってきています。

熱帯低気圧が発生し、小笠原近海を北上へ

予想天気図(気象庁発表)
予想天気図(気象庁発表)

タイトル画像の雲の様子をみると、日本の南海上の赤い丸の中で、多くの活発な雲が発生してきており、気象庁の予想天気図によると、あさって24日(日)午前9時までに、熱帯低気圧が発生する予想です。

その後、小笠原近海を北上する見込みとなっており、週明けにかけて伊豆諸島などに近づいてくる可能性もあります。

なお、熱帯低気圧が発生する予想の海面水温は平年より高く、30度以上あるため、台風が発生しやすい環境場ともなっています。今のところ、海外を含む種々の計算をみると、この熱帯低気圧を台風へ発達させるようなモデルは見受けられませんが、予想以上に発達する可能性もあるため、注意深く見守る必要があります。

さらにこの熱帯低気圧が北上したあと、後続の雲域で、新たな熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が発生し、日本の南を指向する計算もあるため、しばらくはフィリピンの東から日本の南海上にかけて、目の離せない状態が続きそうです。

熱低の位相は、週明けに関東の南に北上も?

暖湿流の予想(ウェザーマップ)
暖湿流の予想(ウェザーマップ)

週末から週明けにかけての暖湿流の予想をみると、熱帯低気圧に伴うとみられる暖湿気の丸い塊が、あさって24日(日)から25日(月)にかけて、小笠原近海から伊豆諸島近海へ北上する姿が予想されています。

まだ週明けの予想はかなりの不確実性を伴い、予想は困難なのですが、まっすぐ関東へ向かって北上してくる計算もあり、もしそうなれば、激しい雨が降ってもおかしくない状況となります。

夏休み期間でもあることから、海や山への影響が出るかもしれませんので、今後の最新情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事