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ダブル台風が発生中 台風4号は猛暑パターンを大雨パターンへ一変させる可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ダブル台風の雲(ウェザーマップ)

台風4号が発生し、沖縄から九州へ接近、上陸のおそれ

台風4号の予報円(ウェザーマップ)
台風4号の予報円(ウェザーマップ)

台風の最新情報(気象庁)

タイトル画像にあるとおり、きのう30日(木)午前9時に南シナ海で発生した台風3号に続き、きょう7月1日(金)午前9時に日本の南海上で台風4号が発生しました。台風3号は今後中国大陸南部へ上陸しますが、問題は台風4号です。

今後やや発達しながら北上を続け、週末に沖縄本島や奄美地方を北上し、週明けには九州の西海上へ到達する予想です。その後は東寄りに進路を変え、予報円の真ん中を進むと、九州の北を進みそうですが、太平洋高気圧の勢力が弱まれば、九州の南海上を進む可能性もあり、このあたりはまだ不確実な状況です。

いずれにしろ、台風4号あるいは台風4号から変わる熱帯低気圧が西日本付近をゆっくりと東寄りに進むため、これまでの猛暑パターンが一変し、数日間断続的に激しい雨が降り続く、大雨パターンへガラリと変わる可能性があります。

あまりにも早い梅雨明けで特に西日本では水不足の懸念が増していますので、災害が起こらない程度の恵みの雨(まとまった雨)を期待したいところです。

週末は沖縄、奄美で荒天に

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

上図は最新のコンピュータによる雨や風の予想です。

気象庁の台風予報円とは少しずれがありますので、その点は注意が必要ですが、台風4号はあす2日(土)夜には沖縄本島や奄美大島へ近づいてくる予想です。

沖縄本島地方では、あす2日(土)からあさって3日(日)にかけて、最大瞬間風速30メートルから35メートルの非常に強い風を伴う荒天となるおそれがあり、十分な注意が必要です。

週明けにかけて九州でも大雨に

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

台風4号は沖縄本島や奄美地方に近づいた後も北上し、あさって3日(日)夜には九州の南西海上へ到達する予想です。

この頃までには、非常に湿った南東風の吹き付ける九州南部の宮崎県で大雨となっている可能性があり、台風の進路によっては、不確実ながらも大雨の範囲は九州から四国などへ次第に広がっていく可能性があります。

気象庁からは、週明けに早期注意情報(警報級の可能性)で、九州や四国に大雨警報が発表される可能性が「中」と出されています。

さらに来週半ばにかけて、台風4号や台風4号から変わる熱帯低気圧の進路次第で、大雨の範囲がさらに広がる可能性もあり、これまでの猛暑パターンが大雨パターンへ大きく転換する可能性があります。

九州南部で300ミリ以上の計算

72時間予想降水量(ウェザーマップ)
72時間予想降水量(ウェザーマップ)

あくまでもコンピュータの予想ですが、4日(月)午前9時までの72時間雨量が宮崎県で200ミリから300ミリ以上と計算されており、この大雨の範囲が東や北へ広がるおそれが十分にあります。

今後の台風情報、大雨情報に十分ご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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