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29日(水)は日本歴代記録41.1度に迫るおそれも 熱中症に最大級の警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
予想天気図(ウェザーマップ)

6月及び年間の暑さ記録

日本の暑さ記録(気象庁HPより)
日本の暑さ記録(気象庁HPより)

きょう28日(火)も近畿、北陸、中国、四国、九州北部の梅雨明けが発表され、各地であまりにも早すぎる真夏の到来となっています。(速報値)

気温も高く、連日6月の観測史上1位を広範囲で記録している他、年間を通しての観測史上1位を更新する所も出ている状態です。

そして先週末の25日(土)には群馬県伊勢崎で40.2度と日本の歴代では初めて6月の40度超を記録しましたが、あす29日(水)は関東内陸で再び40度超の可能性があり、それも気象条件次第では日本の歴代記録41.1度に迫りかねないような暑さとなりそうです。

25日(土)よりさらに上空の気温場が高い

上空1500メートル付近の温度場や風の様子(ウェザーマップ資料を筆者が加工)
上空1500メートル付近の温度場や風の様子(ウェザーマップ資料を筆者が加工)

地上で40度前後の記録的な暑さになる時は、大抵上空1500メートル付近に24度前後の暖気があることに加え、山越えのいわゆるフェーン現象を伴っていることがほとんどです。(関連記事

上図左にあるように、25日(土)群馬県伊勢崎で40.2度を観測した時も、やはりこれまでと同じように、上空1500メートル付近には24度前後の暖気があり、西寄りの風が関東西部の山を越えるフェーン現象が起こっていたと考えられます。

そして、あす29日(水)もタイトル画像にある通り、関東は晴れて、上空はとても暖かな西寄りの風が吹く予想なのですが、少しびっくりするような気温場が予想されています。

上図右の29日(水)午後3時の上空1500メートル付近の予想をみると、24度以上はさらに広がり、群馬や埼玉の西部を中心に、26度以上の等値線も出現しています。これは関東甲信付近では記録的に暖かな暖気で、これにたっぷりの日差しや西寄りの風も加わりますので、40度超が続出しかねない、そんな状況になるおそれがあるのです。

コンピュータの予想も40度超

コンピュータの予想気温と最高気温(ウェザーマップ発表)
コンピュータの予想気温と最高気温(ウェザーマップ発表)

上図はコンピュータの予想で、あす29日(水)午後2時には内陸や北部を中心に紫色の35度以上の猛暑日の範囲が広がっています。さらによく見ると、小さいながら群馬県には39度以上の等値線も見られる状態です。

実際の予想最高気温は、群馬県上里見で40.8度、山梨県勝沼で40.2度と40度超が計算されており、栃木県佐野や山梨県大月でも39.9度となっています。(気象庁の予想では、前橋、熊谷、秩父、甲府で39度です。)

このあたりは、ほんの少しの風向きや風の強さ、雲の出具合などにより変化する可能性もありますが、伊勢崎で40.2度を観測した25日(土)よりさらに高温のポテンシャルが高いと言えるでしょう。

あす29日(水)は日本の歴代記録41.1度に迫りかねない記録的な猛暑となるおそれもあり、熱中症に対して最大級の警戒を呼び掛ける熱中症警戒アラートが群馬、埼玉、栃木、京都、鳥取、徳島、長崎など関東以西の広い範囲に出されています。

外出はなるべく避け、室内をエアコン等で涼しい環境にして過ごしましょう。特に熱中症搬送者の半数以上は、高齢者(65歳以上)ですから、身近な高齢者に対し、昼夜を問わず、エアコン等を使用するよう声掛けをしていただきたいと思います。またこまめな水分や塩分補給を心がけ、喉が渇く前から、より積極的に、時間を決めて行うようにしましょう。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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