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週末以降、関東以西で記録的に早い梅雨明けはあるのか?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
東京の16日間予報(ウェザーマップ)

太平洋高気圧の勢力が拡大

太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

週末以降、関東甲信地方から青空が広がり、厳しい暑さが到来する予想です。

その夏空をもたらすのは南から勢力を一気に拡大してくる太平洋高気圧で、26日(日)までには関東甲信から九州にかけての太平洋側に張り出し、まだ不安定ながらも、晴れて厳しい暑さ、猛暑日となる所も出てくるでしょう。(関連記事

そして太平洋高気圧は来週にかけて、やや強弱をつけながらも関東以西を覆う予想で、梅雨前線は北日本へと一気に北上するか、あるいは梅雨前線自体が弱まってしまうこともありそうです。

この太平洋高気圧の強まりは、日本のモデルより、諸外国のモデルの方が顕著に予想しており、向こう10日間はまさに典型的な梅雨明けの形で、しかも南や東から太平洋高気圧に覆われるため、梅雨明け10日と呼ばれるような晴れて猛暑となりやすいパターンが予想されています。

まだ6月の下旬で、関東以西の梅雨明けを発表するにはあまりにも早すぎる時期ではありますが、気象庁も梅雨明けの検討を行わざるを得ない状況となるかもしれません。なにせしばらくは晴れマークと真夏日(猛暑日)だけの予報となりそうなのですから。

週末以降、まさに真夏が到来へ

16日間予報、%は降水確率、アルファベットは信頼度、Aが最も高くEが最も低い(ウェザーマップ)
16日間予報、%は降水確率、アルファベットは信頼度、Aが最も高くEが最も低い(ウェザーマップ)

ウェザーマップが発表した最新の16日間予報でも梅雨とは思えないような真夏の晴天、暑さが予想されています。

なかでも東京都心は、早々にあさって24日(金)には晴れ間が戻り、25日(土)から厳しい暑さの晴天となり、その後はほぼ2週間、晴れて真夏日が続く予想です。予報の信頼度も来週はほぼAとなっており、少なくとも来週末までは晴れて厳しい暑さが続く見込みで、その後もやや不確実ながら晴れ間が続く見込みです。

また西日本でも週明けまでには太平洋高気圧の圏内となり、その後はしばらく晴天と真夏日が続く見込みです。一方、北日本は太平洋高気圧の縁辺となることや梅雨前線の影響が出やすいことから青森はずっと曇りがちの予報です。

この予報の傾向だけをみると、まさに関東以西で例年の梅雨明け時期となる7月半ばころを彷彿させますが、果たして気象庁から梅雨明けの発表はあるのでしょうか?

記録的に早い梅雨明けは?

2018年6月29日に関東甲信で梅雨明け(ウェザーマップより)
2018年6月29日に関東甲信で梅雨明け(ウェザーマップより)

梅雨明けはそれまでの天気傾向と、その後数日から一週間程度の予報を考慮して発表されるものですが、天気傾向などはまさに梅雨明けを示唆していますので、あとは6月下旬という早い時期を気象庁がどうみるかにかかっている状態です。

ちなみに関東甲信で最も早かった梅雨明けは上図2018年6月29日で、6月の梅雨明けは、1951年以降、この1度だけですが、今年は似たような状況となりそうですから、この年を例にとれば、梅雨明けが発表されてもおかしくないと思われます。(関連記事

またこの他の過去最早の梅雨明けは、東海1963年6月22日、近畿1978年7月3日、中国1978年7月3日、四国1964年7月1日、九州北部1994年7月1日、九州南部1955年6月24日となっています。

もし6月中に梅雨明けが発表されれば、近畿、中国、四国、九州北部では初めてのこととなります。

気象庁の判断は難しいところですが、再来週以降、もし太平洋高気圧が失速したり、梅雨前線が本州付近に戻ってくる予想があれば、梅雨明けは見送るであろうし、そのような明瞭な予想がないのならば、あまりにも時期は早いものの、思い切って記録的に早い梅雨明けの発表があってもおかしくありません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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