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29日(金)は広く雨で気温急降下 関東北部や東北では季節外れの雪も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
吹雪の山(写真:イメージマート)

29日(金)は広く雨で気温が低下

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

きょう27日(水)は、上空に暖かな空気が残り、日も差した関東地方では特に気温が上がり、群馬県桐生29.9度、熊谷29.1度、東京都心27.7度など、今年一番の暑さとなった所もありました。

ところが、このあとまた寒暖差がかなり大きくなりそうです。その原因は南岸を通る低気圧、南岸低気圧です。

あさって29日(金)正午の予想では、九州付近にある前線を伴った低気圧の影響で、西日本は広く雨が降っており、低気圧の北側にあたる九州北部や山陰地方では冷たい北風がかなり強く吹くため、一気に肌寒くなるでしょう。

そして低気圧は九州付近から東へ進み、午後にかけて、本州の南岸沿いを東進する見込みです。

関東は午後から冷たい雨

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

29日(金)午後6時には、低気圧が紀伊半島の先端付近を通過し、伊豆諸島付近へ向かって東進している予想です。

関東地方でも昼前後から雨が降り出し、雨とともに北風も強まるため、夕方以降の帰宅時間にかけて気温が急降下し、冬を思わせる寒さとなりそうです。

さらに注目は、東北地方に小さいながら予想されているみぞれや雪の範囲です。

下層寒気が流入

上空1500メートル付近の寒気(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の寒気(ウェザーマップ)

低気圧は29日(金)夜にかけて、伊豆諸島付近に進んでくる見込みで、この低気圧が北から冷たい下層寒気をひっぱり込んでくる予想です。

上空1500メートル付近の寒気の予想では、東北地方に平年より6度以上低い0度以下の寒気が流れ込み、関東地方も北部を中心に平年より4度くらい低い3度以下の寒気が流れ込む予想です。

上空1500メートル付近で0度以下の寒気は地上でも雪が交じってもおかしくない気温となりますので、山沿いはもちろん東北地方では内陸の平地でも雪が交じるような冷たい雨となりそうです。

関東北部山沿いや東北では季節外れの雪も

雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)
雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)

29日(金)午後9時の雨や雪の予想をみると、福島県の内陸を中心に、東北では比較的、広い範囲で雪が降る計算となっています。

また関東北部山沿いでも、北側の標高の高い所ほど、雪になる可能性があり、雪にはならない予想の都心を含めて、関東の平野部でも、かなり冷たい雨が降るでしょう。

山沿いでは雪が積もる可能性も

那須高原のポイント予報(ウェザーマップ)
那須高原のポイント予報(ウェザーマップ)

上図は標高749メートルある栃木県那須高原のポイント予報です。

29日(金)は昼頃から雨が降り出すとともに気温が急降下し、夕方からみぞれとなり、夜は気温が1度くらいまで下がり、雪となる予想です。

那須高原は4月でも雪が降ることは時折ありますが、もし4月の末に雪が積もるようなことがあればかなり珍しいと思われます。

東京都心も一時的に冬の寒さに

東京都心のポイント予報(ウェザーマップ)
東京都心のポイント予報(ウェザーマップ)

きょう27日(水)今年一番の27.7度まで上がり、6月下旬並みの汗ばむ陽気となった東京都心ですが、あす28日(木)は20度くらいに下がり、あさって29日(金)は雨とともに午後から気温が急降下する予想です。

夜は10度を下回り、夜遅くには7度まで下がり、北風も強く吹くため、冬に戻ったような寒さとなるでしょう。また早めに冷たい空気が流れ込んだり、早めに雨が降り出せば、日中も15度程度の肌寒さとなるかもしれません。

再びやってくる寒暖差に要注意です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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