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来週はもう梅雨の走り?早すぎる大雨の季節到来に要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
激しい雨(写真:イメージマート)

来週は西日本を中心に梅雨のような天気

16日間予報、赤数字は最高気温(誤差)、降水確率(%)と信頼度(Aが高くEが低い)(ウェザーマップ)
16日間予報、赤数字は最高気温(誤差)、降水確率(%)と信頼度(Aが高くEが低い)(ウェザーマップ)

上図はウェザーマップによる最新の16日間予報です。

今週は晴れ間の広がる日が多く、週末にかけてかなり気温も高くなりそうですが、24日(日)に九州で雨が降り出すのをきっかけに、来週は西日本を中心にずらりと傘マークが並ぶ予報となっています。

まるで梅雨のような予報となっていますが、どうやら本格的な梅雨の前に梅雨のような天気がやってくる梅雨の走り(走り梅雨)がかなり早めにやってくるような状況となりそうなのです。

さらに鹿児島には雷マークも出ていますが、九州付近を中心に前線の活動が活発となるため、雷を伴った激しい雨が降り、断続的に大雨となるおそれがあります。

早すぎる大雨の季節の到来に要注意です。

早くも前線活動が活発に

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

上図は雨域(前12時間)の予想を表したものですが、大陸で発生した前線が西日本へとのび、25日(月)朝までには西日本の広い範囲で雨となる予想です。

その後、前線は関東など東日本へものび、しばらく本州の南岸付近に停滞するような予想で、この長々とした雨雲が本州付近に居座る姿は、とても4月とは思えず、まるで梅雨時を彷彿させるような姿となっています。

ただ雨雲を生成する南からの暖湿気は本来の梅雨時ほど威力はありませんが、それでも1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨を降らせるようなポテンシャルはありそうですから、九州や四国を中心に、大雨に注意、警戒が必要となりそうです。

南からの暖かな勢力が一時的に拡大

500hPa高度と地上気圧の予想(ウェザーマップ)
500hPa高度と地上気圧の予想(ウェザーマップ)

来週初めの予想を500hPa(上空5500メートル付近)の高度(左図)や地上気圧(右図)の平年比でみてみると、500hPa高度は日本の南から本州付近で顕著に高くなっており、これは南からの暖かな空気が平年より大きく本州付近に拡大していることを表しています。

一方、地上気圧をみると、日本の東から南海上で高く、本州付近で低くなっており、これは本州付近で前線や低気圧の活動が平年より活発となりやすいことを表しています。

つまり来週は4月とは思えないような梅雨時に近い気圧配置となることを表しているのです。

1か月予報でも多雨傾向に

気象庁の1か月予報をウェザーマップが作成
気象庁の1か月予報をウェザーマップが作成

気象庁が先週14日(木)に発表した1か月予報の降水量の予想をみると、それまでのほぼ平年並みという予想から一転、関東以西では多雨傾向が鮮明の予想に変わりました。

思えば、昨年は5月半ばに梅雨前線が本州付近に停滞し始め、九州や四国、中国地方では、あまりにも早すぎる梅雨入りとなり、ニュースなどでも大きく取り上げられました。(梅雨入り確定値は、九州5月11日、四国と中国5月12日、近畿6月12日、東海6月13日)

今年も季節が前倒しで進んでいるのならば、この梅雨の走りがいったん終わった後、5月中の梅雨入りがあるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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