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”新年度寒気”到来へ、4月としては関東で記録的な寒気予想も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
上空の寒気予想(ウェザーマップ)

新年度と共に強い寒気が南下へ

上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)

関東以西では多くの所で桜が咲き誇り、東京をはじめ満開を迎えた所も多くなっていますが、今週4月1日(金)の新年度に合わせるように強い寒気が到来する見込みで、朝晩を中心とした冷え込み、寒の戻りに要注意です。

上図は上空1500メートル付近の暖気や寒気の予想ですが、あさって31日(木)午前9時には関東以西にオレンジ色の6度以上の暖気が流れ込んでいます。ところが1日(金)午前9時には一転し、北から青色の-6度以下の寒気が関東以西にまで南下している様子がうかがえます。

わずか1日で10度から15度も急降下しており、まさに新年度と共に冬に戻ったような強い下層寒気の到来ということになりそうです。

ではこの寒気が平年と比べてどれ位強いのか見てみましょう。

関東は記録的に強い”新年度寒気”か

上空1500メートル付近の気温と平年差予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温と平年差予想(ウェザーマップ)

上図は上空1500メートル付近の暖気や寒気とその平年差を表したものですが、関東以西に南から流れ込んでいる6度以上の暖気は平年より4度以上高く、4月下旬並みの暖かな空気です。

ところが新年度と共に流れ込んでくる-6度以下の寒気は平年より10度近くも低く、真冬並みとも言える冷たい空気です。

参考までに、上空の気温を観測している茨城県館野における1日(金)午前9時の上空1500メートル付近の気温は-7.7度と予想されており、これは平年1.7度より9.4度も低く、4月としては観測史上1位に匹敵するような寒気のレベルです。

茨城県館野の4月の午前9時における観測値の低温記録は以下の通りです。(1957年以降)

1位-7.4度(1987年4月13日)

2位-7.1度(1988年4月9日)

3位-6.9度(2019年4月3日)

3位-6.9度(1996年4月13日)

また同じく1日(金)午前9時には、石川県輪島で-8.9度、秋田で-10.9度などが予想されており、これも平年よりは8度前後も低く、過去の記録に迫るような低温が予想されています。

北風も強めでより寒く

雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)
雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)

1日(金)は寒気の南下と共に、北陸や北日本では所々で雪が降りますし、東京、名古屋、大阪などでも最高気温は15度に届かず、地上付近では冷たい北風が強めに吹くため、いっそう空気が冷たく感じられるでしょう。

なお2日(土)の朝は最も冷え込みが強まるとみられており、関東以西の内陸でも0度近く、あるいは氷点下まで下がる所がある予想です。

4月としてはかなりの冷え込みとなる所もありそうですから、遅霜などによる農作物への影響などにも注意が必要です。

東京の寒の戻りは3日間

東京都心の予報(気象庁発表)
東京都心の予報(気象庁発表)

東京都心の予報を見ると、31日(木)は20度以上の暖かさとなりますが、1日(金)は一気に空気が冷たくなり、2日(土)の朝は5度を下回り、4度まで下がる予想です。

また3日(日)には寒気が抜けつつありますが、曇天のため、最高気温は12度までしか上がらない予想です。

新年度に変わって、1日(金)から3日(日)まで3日間は寒の戻りが続きそうですから、ご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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