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10月とは思えない太平洋高気圧の強さ 季節外れの熱中症に警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
気象庁による予想最高気温(ウェザーマップ)

季節外れに強い太平洋高気圧

太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

上図は上空5000メートル付近に発達する太平洋高気圧(夏の高気圧)の予想ですが、真夏の目安ともなる5880メートルの等高度線の勢力範囲があす4日(月)をピークに東北地方まで張り出し、西日本には一段と強い5940メートルの等高度線も出現しています。

これはたとえ気象予報士であっても、8月と勘違いするような太平洋高気圧の強さで、10月としてはあまり見たことがないような姿だと思います。

上空の気温も顕著に高い

上空1500メートル付近の気温予想と平年差(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温予想と平年差(ウェザーマップ)

今度は上空1500メートル付近の気温の予想で、赤い所が平年よりも高い所を表しています。

これによると、太平洋高気圧の強まりに合わせるように、きょう3日(日)は西日本から平年よりも暖かな空気に覆われ、あす4日(月)は一気に北日本へも拡大し、赤一色の状態となっています。

特に東北地方は平年より8度前後も高い15度以上の暖気に覆われており、これは晴れれば地上では30度以上の真夏日となるような暖かな空気です。

さらに西日本には18度前後の暖気がみられ、これは気象条件によっては35度以上の猛暑日が出現してもおかしくないような暖気と言えます。

この季節外れの暖気によって、きょうから3日間ほどは、10月としては記録に残るような暑さという所も多く出現するかもしれません。

九州では猛暑日一歩手前の暑さも

気象庁による全国の予想最高気温(ウェザーマップ)
気象庁による全国の予想最高気温(ウェザーマップ)

きょうこれまでの最高気温の状況(気象庁)

気象庁による全国の予想最高気温をみると、大分県日田では、きょう3日(日)、あす4日(月)と2日連続で34度の予想となっており、これまでの10月の最高気温の記録33.7度(2019年10月2日)を2日連続で更新する予想です。

もし日田で予想よりも高めとなる35度以上の猛暑日となれば、これまで全国の10月の猛暑日は、フェーン現象の影響による新潟県でしか観測されたことがありませんから、大分県はもちろん、九州でも初めてのこととなります。

また佐賀や熊本などでも2日連続で33度の予想となっており、過去に10月の33度以上は数える位しかありませんから、10月としては記録的な暑さが2日連続で続くということになりそうです。

またその他の各地も、西日本を中心に広い範囲で31度以上が予想されており、10月とは思えないような状況となっています。

ちなみに東京都心はきのう2日(日)30.1度の真夏日となりましたが、あさって5日(火)に再び30度まで上がる予想です。

東北でも真夏日が続出か

気象庁による東北の予想最高気温(ウェザーマップ)
気象庁による東北の予想最高気温(ウェザーマップ)

東北地方の最高気温にも注目すると、きょう3日(日)はまだ福島で28度止まりですが、あす4日(月)になると一気に昇温し、福島、山形、岩手県一関、宮城県白石で31度まで上がる予想となっています。

岩手県一関と宮城県白石は10月に30度以上の真夏日となったことすら一度もありませんから、過去初めての真夏日となる可能性が高いでしょう。

また真夏は非常に厳しい暑さとなる福島でも、10月の過去1位の記録は1946年10月2日に記録した30.3度ですから、31度まで上がれば、10月の過去1位の暑さを更新することになります。

山形は10月に32度以上の記録が3回ありますが、それでも31度まで上がれば、10月としては記録的な暑さとなるでしょう。

またこれら4地点以外でも真夏日が続出するものとみられ、東北地方では10月としては初の真夏日という所が多く出現するかもしれません。

各地とも真夏と違って湿度は下がるため、比較的からっとした暑さとはなりますが、10月としては経験したことがないような高温に見舞われる所も多くなりますので、季節外れの熱中症に注意、警戒をして頂きたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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